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体の感覚を磨く親子の触れ合い [子供と信頼]

言葉にならない思いに応えて
整体ボディワーカー 山上亮さんに聞く
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 スキンシップは、親子で愛情を伝え合って互いに信頼を深めるだけでなく、体の感覚を磨くためにも大切です。どのような触れ合いが、体の感覚を磨くことにつながるのか、『子どものしぐさはメッセージ』(クレヨンハウス)を著した山上亮さんに聞きました。山上さんは、整体ボディワーカーとして、子育てに関する講演を各地で行っています。親子で簡単にできるワークも紹介します。



五感で世界を捉える

 幼少期は、体が最も育つ時期です。目で見るだけでなく、体の五感すべてを使って世界を感じられるように、親子の触れ合いを中心にした関わりが大切です。

 私たちは、頭(意識)で物事を考えることに慣れ、体(無意識)で物事を捉えることが少なくなりました。何かを学ぶにしても、知識を優先させて言葉を学び、物事を分かったつもりになる場合が多い。しかし本来の学びは、体で感じた体験が先にあった上で、その体験を表現する形で、言葉を知るのです。現代は学びの順序が逆になってしまいがちです。

 頭で考えることが優先されがちな社会だからこそ、私は特に幼少期の子には、体で感じることを大切にしてほしいと思います。体の変化に注目し、敏感になることで、これまで見えていなかった世界が見えるようになるからです。体の異変にも気付き、病気や事故を未然に防ぐこともできるでしょう。

 これは子どもだけでなく、親にもいえることです。子どもは、全力で自らの体を使い、ちょっとしたしぐさを通して、言語化できない思いを親に伝えます。親がきちんとそのしぐさを捉え、応じる中で、親子関係はもっと深いものになります。

 体の動きを通じた交流をするには、親自身もきちんと体で物事を感じられるようになる必要があります。そのためにも、日ごろから親子の触れ合いをたくさんしてほしいです。
ワーク1 背中の指何本?

手順

 親子2人組で、親が、子どもの背中側に来るように縦に並びます。親が子どもの背中に指を当て、子どもはそれが何本なのかを当てます。背中の一部分ではなく、いろいろな箇所に手を当て、やってみてください。
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解説

 簡単そうに見えますが、意外と本数を当てるのは難しいです。ただ、背中に意識を集中することで、徐々に本数が分かるようになります。背中は目に見えない部分です。このワークは見えないものの気配を感じる訓練になります。

 何回やっても本数が分からない部分も出てきますが、その部分は、今まで気に掛けていなかった部分です。だからこそ、今後はその部分を、気に掛けていくようにしてください。続ける中で、体の感覚が磨かれていきます。



ワーク2 鈴はどこにある?

手順

 親子で向かい合って行います。子どもは目を閉じて、親は鈴を持って鳴らします。子どもは、目を閉じたまま音をたよりに、鈴がどこにあるのか当ててみましょう。
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解説

 音の方向は分かっても、鈴の位置まで当てるのはなかなか難しいです。普段は、目で見ている世界を強く意識しているので、見えない世界への意識が薄いからです。目を使わずに、耳だけで音を探ることで、聴覚が研ぎ澄まされていくでしょう。聴覚を研ぎ澄ますことで、例えば、背後からくる車の存在に気付くなど、事故を未然に防ぐ能力が磨かれていきます。
ワーク3 きずなの棒
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手順

 50~80センチほどの棒を2人分用意しましょう。ケガ予防のため、棒の端にはテープを巻いて、丸くしておくとよいです。親子2人で向かい合って立ち、人さし指だけで2本の棒の端をそれぞれ持ちます。そのまま、棒を落とさないように自由に動いてください。
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解説

 相手との間合いを繊細に感じる感覚を育てることができます。2人で同じ棒を支えるためには、相手の動きに合わせて自分もうまく動かなくてはならないからです。



ワーク4 人間木登り

手順

 親と子どもが向かい合って立ちます。親の合図で、子どもが親によじ登る。子どもが親に乗って、肩車の状態になればゴールです。
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解説

 親は手伝わずに、子ども自身の力で登ることを大事にしてください。登るのが難しければ、親が少し膝を曲げてください。手足を上手に使って、自分の体重を支える力を育てることができます。手足の感覚を研ぎ澄ますだけでなく、自力で登らせることで、自分の力でやりきる喜びを知ります。
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