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精神科医 和田秀樹さんに聞く 子どものスマホ どう考える? [親と子供関係]

wadahideki.JPG スマートフォン(スマホ)は、大人だけでなく子どもにとっても便利で、生活に欠かせないものになりつつあります。しかし、過度の使用によって、勉強や睡眠時間の減少につながるだけでなく、「スマホ依存」と心配されるほど、スマホを手にしていないと落ち着かないなどの状態の子もいます。適切なスマホの使用方法、ルールの決め方について、精神科医の和田秀樹さんに聞きました。

学力低下の一因に

 「スマホ依存」といわれるほど、一日中スマホを気にする子どもがいます。依存症とは自分の意志の力では使用を制限できなくなる障がいです。
 依存症の一つにギャンブル依存があります。競輪、競馬といった公営ギャンブルや、パチンコなどをやめられない状態です。ギャンブル依存になる人の割合は、公営ギャンブルよりもパチンコをする人の方が圧倒的に多い。これは公営ギャンブルよりも、パチンコが身近にあり、毎日できるものだからです。簡単に利用でき、使用頻度が高いものほど、依存しやすいのです。
 スマホはどうでしょうか。無料通信アプリ「LINE(ライン)」や、各種の交流サイト(SNS)、ゲームなどを利用でき、子どもは時間を忘れて熱中してしまいます。手軽に持ち運べ、いつでも使用できるので、依存しやすいものといえます。
 過度なスマホの使用は、学力の低下にもつながります。本年度の全国学力テストに合わせて行ったアンケートを見ると、携帯電話・スマホの使用時間が「1日30分未満」の子どもの正答率が一番高いことが分かり、使用時間が長いほど、成績が低い傾向が見られました。これは過度の使用で体が疲れ、集中力が低下し、物事を考える時間が減るからだと考えられます。

親同士の連携も効果的

 大人もスマホを見ながら仕事や家事をすれば、集中力が途切れます。子どもはなおさらです。判断力が未熟ですから、最初は親の管理のもとで使用させましょう。まず、親子でルールを決めます。「ルールを破れば携帯電話の代金は支払わない」など、毅然とした対応も必要です。
 最近は、「22時以降はスマホ使用を禁止」などと自治体や学校がルールを決めて、親の協力を求めるケースが増えています。親子だけでルールを決めるよりも、親同士や学校、地域が連携して、ルールを決めた方がうまくいきやすいようです。

仲間はずれにされる?

 スマホの使用を制限するのが難しいのは、友達とのコミュニケーションの手段として、使われているためです。自分の子どもだけ使用を禁止すると、友達の話題についていけず、仲間はずれにされることがあります。
 家庭でのルールを決めておくと、こうしたトラブルから子どもを守ることができます。友達から「なんで昨日の夜送ったLINEの返事をすぐにしないんだよ?」と詰め寄られても、「家のルールで、夜はスマホを見られないから」と言い返すことができます。
 ただ、こうした問題に直面した時には「そもそも友達とはどういう人のことか」を親子で考える機会にしてほしいです。友達とは、困った時に助け合ったり、悩みを聞いてくれたりする人のことです。嫌がらせをしたり脅迫したりする子は、友達ではありません。
 子どものスマホに関わる問題の裏には“同調圧力”があります。「みんなと同じでないといけない」と思い込み、「みんながスマホで楽しんでいるから、興味はないけど、自分もやらなければいけないのでは」という感覚の子がいます。
 しかし本来、人間は一人一人が個性的な存在であり、自分がしたくないことを、必要以上に他人に合わせてすることはありません。お子さんが困っていたら、「みんなと同じでなくてもいい」「あなたらしく頑張れ」「私はあなたを心から応援する」というメッセージを送り、支えてほしいと思います。

親子で決めたい使用のルール例

①スマホは親の管理下にあると示す
 充電器はリビングに置き、スマホの使用もリビングに限定させます。スマホは親のもので、親が管理していることを伝えます。

②買う前に使用時間の制限を約束
 勉強や睡眠時間を確保するには、スマホの使用時間を制限することが大切。買う前に「使用は1日1時間以内」などの約束を。


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小学生を伸ばす親力アップ「共感を覚える会話」 [親と子供関係]

fuufuu.jpg子ども時代の物語伝えて
 小学校の先生だった時、私は子どもたちにいろいろな話を聞かせてあげました。一番喜ばれたのは、先生である私の、子どものころの話でした。これは、私の本名を取って“杉山少年物語”と名付け、シリーズ化していました。
 例えば、運動会でビリになったこと、トイレに落書きをして弟のせいにしたこと、そろばんの試験に落ちたこと、数学が苦手で英語が得意だったこと、かくれんぼの時、肥だめに落ちたことなどです。特に失敗談は子どもたちに大受けでした。
 こういう話になると、それまでぼーっとしていた子も、にこにこしながら話を聞きます。そして先生にもそういう時があったのだと分かり、ぐっと親しみが増すようです。一人の人間同士として共感を覚え、心がつながるのだと思います。
 ですから、皆さんも自分が子どものころの話をしてあげてください。皆さんのお子さんは、皆さんが子どものころのことをどれだけ知っていますか? ほとんど知らないのではないでしょうか。
 だいたい、いつも「これしちゃダメ。あれしちゃダメ。ああしなさい。こうしなさい」というような話ばかりしているので、子どもたちはみんな飽き飽きしています。
 皆さん自身の物語を話してあげると、親と子の心が一人の人間同士としてつながります。と同時に、子どもに生きる上でのヒントや考える材料を与えてあげることもできます。
 子どもは経験が少ないので、生き方や人生というものが、まるで分かっていません。自分の経験、本、マンガ、小説、伝記などで少しずつ学んでいくわけですが、親の経験こそが目の前にある生きた実例でありモデルです。
 失敗も成功も、あれもこれも、全てひっくるめて、それは生きている文学なのです。
 お父さんもいたずらして叱られていたんだ、お母さんも水泳が苦手だったんだ、などと分かってホッとするかもしれません。「お父さんはこういう時、こうしていたんだ。なるほど、いい方法だな」とか「お母さんはこういうことをして後で後悔したんだ。私も気を付けよう」など、何らかの教訓を学ぶかも知れません。それらの全てが子どもの栄養になるのです。
教育評論家 親野智可等

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この本よんで! 親子の読書 [親と子供関係]

konohon.JPGぞかけどうじょう
中川ひろたか 作
大島妙子 絵

 「なぞかけ」の魅力が詰まった、子どもから大人まで、みんなで楽しめる絵本です。
 なぞかけは、昔からある言葉遊び。「○○と掛けて△△と解く。その心は、□□」という形で、言葉と言葉の共通点である“心”を見つけます。
 例えば、「靴と掛けて、ほうきと解く。その心は……どちらも、“はく”でしょう」といった具合。即興のなぞかけで人気の芸人さんもいますが、実際やってみると案外、これが難しい! でも、コツをつかめば面白い!
 読み進めながら、意外な語意への気付きや発見があり、言葉の世界を広げてくれます。
 幼児から。(金の星社 32ページ 1404円)

わたしちゃん
石井睦美 作
平澤朋子 絵

 まりは、パパの仕事の都合で、海のある町から海のない町に引っ越しました。祖父母と一緒に暮らしていましたが、これからは両親との3人暮らしです。
 ママは引っ越しの後片付けで構ってくれませんし、友達もいません。そこで、まりは自分で「わたし」自身を呼び出して、おしゃべりをします。話し相手がいない時、よくこうするのです。
 町へ出掛けると一人の少女と出会います。その子の名前は「わたしちゃん」でした。
 私のことが好きで、自身と対話し、遊べるのはステキなことですね。奥深いお話です。
 小学生中級向き。(小峰書店 71ページ 1188円)

カンボジアの大地に生きて
ミンフォン・ホー 作
もりうちすみこ 訳

 カンボジアの農村に生きる、12歳の少女ダラ。当初、戦争はどこか遠い出来事でした。
 爆撃がどんどん迫ってきて、黒ずくめの兵士が村へ押し寄せました。父が殺され、森の外れには、たくさんの遺体が。ダラは強く生きていくことを決意しますが、試練が次々と襲います。
 家族の離散、兵士を志願する兄との対立、希望を失った人々、混乱を極める難民キャンプ……。
 しかし“故郷でまた田んぼを耕したい”との強い祈りを抱き締めて、ダラは歩みを止めませんでした。
 1970年代から続いた内戦下のカンボジア。その実像と人々の心が、見事に描かれた感動の物語です。
 小学生上級以上。(さ・え・ら書房 256ページ 1620円)

児童図書選定委員会
 加藤悦男
 細野眞由美
 高橋フミアキ




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小学生を伸ばす ケンカの仲裁 [親と子供関係]

一方的な押し付けに注意 kennka.jpg
 きょうだいゲンカでお兄ちゃんが弟をたたいてしまった時、どうしたらいいでしょうか?
 こういう時は、一緒に話を聞くとまたケンカになるので、別々に話を聞いてあげてください。
 お兄ちゃんに「どうしたの?」と聞けば、「だって、あいつがおもちゃを取ったんだもん」などと言うでしょう。それを聞いて、たいていの親は「おもちゃを取られたらたたいていいの? ダメなものはダメだよ」と叱ると思います。
 でも、このように正論を一方的に押しつけるだけでは、子どもの心には届きません。親が自己満足するだけで、子どもの心や行動を変えることはできないのです。
 ここは、まず子どもの話を共感的に聞いてあげることが大切です。
 「そうなんだ。おもちゃを取られたんだ」「そうだよ。いつもそうだよ」「それは困るねえ」「オレが遊びだすとおもちゃを取ろうとするから、全然遊べない」「気持ちよく遊べないんだね」
 途中で遮ったりお説教を始めたりしないで、とにかく共感的にたっぷり聞いてあげましょう。
 すると、お兄ちゃんは自分の言いたいことを全部言えて気持ちがすっきりします。そして、「お母さん・お父さんは自分の気持ちを分かってくれた」と感じて、親への信頼感が高まります。
 そこで、はじめて「じゃあ、弟はどう思っているのかな?」と聞いてみます。すると、「たたかれてイヤだったと思う。弟も遊びたかったと思う」と答えます。そこで、「弟の気持ちを分かってあげられて偉いね」と褒めます。
 次に、「じゃあ、どうすればよかったと思う?」とか「これからどうする?」などと聞いて考えさせます。すると、「オレお兄ちゃんだから、今度から先にやらせてあげる」などと答えます。そこで、また褒めます。
 このように進めると、子どもは「本当にそうしよう」という気持ちになれます。同じように、弟の話も共感的に聞いて、それから考えさせます。
 とにかく、トラブル解決で大事な第一歩は徹底的な共感です。ノウハウとしてだけでなく、心から共感してあげてください。
 なぜなら、誰にもそれぞれの立場やこだわりというものがあり、言い分があるからです。そして、本当にその立場に立って理解すれば、やむを得ないことが多いからです。





居場所と家族を求める子どもたち [親と子供関係]

NPO法人「BONDプロジェクト」 橘ジュン代表に聞く
tatibana.PNG
 居場所と家族のような心温まる人とのつながりを求め、家に帰らず、夜の繁華街を出歩く少女たちがいます。10代、20代の女の子たちのリアルな声をフリーマガジンで発信し続ける、NPO法人「BONDプロジェクト」代表の橘ジュンさんに、生きづらさを抱えた今の10代の少女たちの心の背景について聞きました。

子どもはどんな親も大好き。 でも、親の方が子どもに条件を付けて愛している。

変化した“つながり”

 ――20年近く、少女たちに取材を続けていらっしゃいますが、昔と今で、少女の状況にはどのような変化が起きていますか。
  
 家出少女は昔からいっぱいいました。親と意見が合わなくて、家を飛び出したくなるというのは、10代にはよくあることです。ただ、家出をした後に、行く先が昔と大きく変わったと思います。
  
 ――どう変わったのでしょうか。
  
 昔は、家を飛び出したら、友だち、先輩などの顔見知りのところに行ったものです。「今日くらいならいいよ」と一緒に過ごし、話を聞いてくれた。人の温かさに触れて、癒やされたのです。
 しかし、今は違います。中学生でもケータイを持つのが当たり前。それを通じて、顔も年齢も仕事も知らない、本名すら分からない知人ができています。困った時に、そうした人を頼り、トラブルに巻き込まれるというケースが決して少なくないのです。

「出て行け!」やめて  ――昔よりも、子どもは危険な環境に置かれているということですか。
  
 そうです。そもそも、よく親子でけんかをした時に、腹を立てて、「家を出て行け!」と言う親がいますが、これは間違っていると思います。
 出て行くなら、大人が出て行くべきでしょう。行く先、お金はどうにでもなるのですから。子どもが衝動的に外に出てしまったら、トラブルに巻き込まれる可能性があります。「出て行け」と言いたくなったら、「私が出て行く」と言ってほしい。気持ちが高ぶっている時は、親子もお互いに少し離れて、時間を取って静かに考えた方がいい時はあると思うのです。
  
 ――今の少女は、どのような思いを持つ子が多いのでしょうか。
  
 都心の繁華街などでは、家族とうまくいかずに外に出て、「つながれる誰か」を求めて、まるで、さまよっているような女の子に出会います。私は“漂流少女”と呼んでいます。
 家族に認めてもらいたいのに、無条件に受け入れられない。条件を付けられる。その苦しさを解消したくて、なんでも話せて、ほっとできる“家族”のようなつながりや居場所を求めて歩き続ける。私が声を掛けてきた少女たちは、そのような思いを抱えている子が多くいました。

風通しのよい家庭に

 ――家庭が子どもにとって安心の居場所になることが大切です。そのために、何を心掛けてほしいですか。   
 子どもに問題があっても、家族だけの話にしないで、いろいろな人のアドバイスを受けてほしい。少女と話してよく言われます。「家のことを外の大人たちに話すと、親はすごく怒る」「うちの問題を話すなんて、恥さらしだと言われる」と。
 家族は、子どもにとって、とても大きな存在です。子どもは親の悪口を言うことがあっても、親を嫌いになったりはしない。どんな親のことであれ、親が大好きです。
 でも、親の方が、条件をつけて、子どもをあるがままの状態で受け入れようとしない。親の希望する条件にかなっていない子どもを責めたりもします。
 条件を付け、評価する。きょうだい間で比較もする。「お兄ちゃんができるのに、なぜあなたはできないの」と。
  
 ――比較されると、自分のことを認められていないと感じてしまいますね。
  
 問題を抱えた子どもの親とも話します。どの親も一生懸命です。「娘の話をじっくり聞いています」「これ以上、何をすればいいんですか」と訴えられる方もいます。親も行き詰まっています。
 だからこそ、私は家庭をもっと風通しよくしてほしいのです。閉ざすのではなく、信頼できる人に相談していく。どんな問題も、一緒に考えてくれる大人が増えた方が、解決が早まります。
■プロフィル  たちばな・じゅん 1971年、千葉県生まれ。19歳の時から夜の繁華街を歩く10代、20代の少女たちを取材。創刊したフリーマガジン『VOICES』にその声をまとめ、伝えてきた。2009年にNPO法人「BONDプロジェクト」を設立。女性を対象にした電話相談や、東京・荒川区に相談室を開設し、活動を進めている。
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小学生を伸ばす親力アップ講座 <言葉の工夫> [親と子供関係]

語尾を変え、とがめずに促す
oyako.gif
 子どもがやるべきことをやらない時、大人はつい「○○しなきゃダメでしょ。なんでちゃんとやらないの」などと叱ってしまいます。
 でも、これだと、子どもは自分がとがめられたと感じ、反発する気持ちが生まれて素直に受け入れる気になれません。
 こういう時は、とがめる要素を入れないで上手に促すことが大事です。それは「○○しなきゃダメ」という語尾を「○○しよう」という語尾に変えるだけで可能になります。
 つまり、「ほら、片付けなきゃダメでしょ」ではなく「さあ、片付けよう」に、「どんどん歯を磨かなきゃダメでしょ」を「さあ、歯を磨こう」に変えるのです。
 このように語尾を変えるだけでとがめる要素が消え、子どもも素直に受け入れる気になれます。
 もうひと工夫して、ハードルを下げて促すとさらに効果的です。例えば「手伝ってあげるから○○しよう」「一緒に○○しよう」「ちょっとだけやってみよう」「先に半分だけやっておこう」などです。これだと簡単そうに感じられて取りかかりやすくなるのです。取りかかってしまえばエンジンがかかります。とにかく、最初の取りかかりのハードルを下げてあげることがコツです。
 あるいは、時間を意識させて促すのも効果的です。例えば「1分以内に勉強に取りかかるよ。タイマーと競争、用意、ドン」「何分で取りかかれるか計ってみよう。始め!」「4時半までに終わらせよう」などです。
 ぐずぐずして取りかからない時は、選択肢を示して選ばせるのも効果的です。例えば、「先に遊んでから宿題にする? それとも先に宿題をやってから遊ぶ?」と言って選ばせるのです。自分で決めたということで、子どもなりにちょっとした責任を感じるので、行動につながりやすくなります。
 競争化・ゲーム化して促すと、子どもはけっこう乗ってきます。“○○ごっこ”にしたり“○○競争”にしたりするのです。片付けをしない子に「ママと片付けごっこだよ。どっちがたくさん片付けられるかな、用意ドン!」とか、着替えが遅い子に「今から着替え競争。どっちが早いかな? 始め!」などと言うのです。


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10代の心の支援 居場所と家族を求める子どもたち [親と子供関係]

NPO法人「BONDプロジェクト」 橘ジュン代表に聞くtatibana.PNG

 居場所と家族のような心温まる人とのつながりを求め、家に帰らず、夜の繁華街を出歩く少女たちがいます。10代、20代の女の子たちのリアルな声をフリーマガジンで発信し続ける、NPO法人「BONDプロジェクト」代表の橘ジュンさんに、生きづらさを抱えた今の10代の少女たちの心の背景について聞きました。

子どもはどんな親も大好き。 でも、親の方が子どもに 条件を付けて愛している。


変化した“つながり”

 ――20年近く、少女たちに取材を続けていらっしゃいますが、昔と今で、少女の状況にはどのような変化が起きていますか。
  
 家出少女は昔からいっぱいいました。親と意見が合わなくて、家を飛び出したくなるというのは、10代にはよくあることです。ただ、家出をした後に、行く先が昔と大きく変わったと思います。
  
 ――どう変わったのでしょうか。
  
 昔は、家を飛び出したら、友だち、先輩などの顔見知りのところに行ったものです。「今日くらいならいいよ」と一緒に過ごし、話を聞いてくれた。人の温かさに触れて、癒やされたのです。
 しかし、今は違います。中学生でもケータイを持つのが当たり前。それを通じて、顔も年齢も仕事も知らない、本名すら分からない知人ができています。困った時に、そうした人を頼り、トラブルに巻き込まれるというケースが決して少なくないのです。
「出て行け!」やめて

 ――昔よりも、子どもは危険な環境に置かれているということですか。
  
 そうです。そもそも、よく親子でけんかをした時に、腹を立てて、「家を出て行け!」と言う親がいますが、これは間違っていると思います。
 出て行くなら、大人が出て行くべきでしょう。行く先、お金はどうにでもなるのですから。子どもが衝動的に外に出てしまったら、トラブルに巻き込まれる可能性があります。「出て行け」と言いたくなったら、「私が出て行く」と言ってほしい。気持ちが高ぶっている時は、親子もお互いに少し離れて、時間を取って静かに考えた方がいい時はあると思うのです。
  
 ――今の少女は、どのような思いを持つ子が多いのでしょうか。
  
 都心の繁華街などでは、家族とうまくいかずに外に出て、「つながれる誰か」を求めて、まるで、さまよっているような女の子に出会います。私は“漂流少女”と呼んでいます。
 家族に認めてもらいたいのに、無条件に受け入れられない。条件を付けられる。その苦しさを解消したくて、なんでも話せて、ほっとできる“家族”のようなつながりや居場所を求めて歩き続ける。私が声を掛けてきた少女たちは、そのような思いを抱えている子が多くいました。

風通しのよい家庭に

 ――家庭が子どもにとって安心の居場所になることが大切です。そのために、何を心掛けてほしいですか。
  
 子どもに問題があっても、家族だけの話にしないで、いろいろな人のアドバイスを受けてほしい。少女と話してよく言われます。「家のことを外の大人たちに話すと、親はすごく怒る」「うちの問題を話すなんて、恥さらしだと言われる」と。
 家族は、子どもにとって、とても大きな存在です。子どもは親の悪口を言うことがあっても、親を嫌いになったりはしない。どんな親のことであれ、親が大好きです。
 でも、親の方が、条件をつけて、子どもをあるがままの状態で受け入れようとしない。親の希望する条件にかなっていない子どもを責めたりもします。
 条件を付け、評価する。きょうだい間で比較もする。「お兄ちゃんができるのに、なぜあなたはできないの」と。
  
 ――比較されると、自分のことを認められていないと感じてしまいますね。
  
 問題を抱えた子どもの親とも話します。どの親も一生懸命です。「娘の話をじっくり聞いています」「これ以上、何をすればいいんですか」と訴えられる方もいます。親も行き詰まっています。
 だからこそ、私は家庭をもっと風通しよくしてほしいのです。閉ざすのではなく、信頼できる人に相談していく。どんな問題も、一緒に考えてくれる大人が増えた方が、解決が早まります。
■プロフィル  たちばな・じゅん 1971年、千葉県生まれ。19歳の時から夜の繁華街を歩く10代、20代の少女たちを取材。創刊したフリーマガジン『VOICES』にその声をまとめ、伝えてきた。2009年にNPO法人「BONDプロジェクト」を設立。女性を対象にした電話相談や、東京・荒川区に相談室を開設し、活動を進めている。


子どもの「自立」の意味 [親と子供関係]

障がい者の視点から
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 子育ての目的は、子どもの自立にあるといわれます。この「自立」の意味について、障がい者の視点から、小児科医の熊谷晋一郎さんに聞きました。

震災の体験から

 ――「自立」とはどのような状態のことを指すと考えていますか。

 
 一般的に、自立は依存の反対語で、人に頼らずに、自分のことは自分で行えることだと捉えられていますが、私は少し違う視点から考えています。

 私は障がいがあるため車イスで生活していますが、3・11の震災の時、このような体験をしました。私は建物の揺れが収まるのを待ち、急いで逃げたのですが、エレベーターの安全装置が作動し、動きませんでした。逃げ遅れたのです。

 その時に感じたのは、健常な人は、逃げる方法がたくさんある。階段もあるし、はしごやロープを使うこともできる。複数の物に依存して逃げられるのに、私のように障がいがあると、依存先はエレベーター一つしかないという点です。エレベーターがないと逃げることができません。

 障がい者というのは、“依存できる先が少ない状態の人”のことだと、あらためて気付かされたのです。

  

 ――健常者と障がい者の違いは依存先の数の違いだと?

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 はい。先ほどの例をイラスト(図1)で表すと分かりやすいでしょう。図の矢印は依存先、矢印の太さは依存の度合いを表します。健常者は依存先がたくさんあり、障がい者は少ない。障がい者は依存先が一つしかないので、矢印は太くなります。健常者は一本一本の矢印が細い。一般的に、矢印の数は、多ければ多いほど細くなると考えられます。一つがなくなっても、他の何かと取り換えられるからです。

生き方の選択肢を増やす  ――矢印が太いと、それなしには生きていられない度合いが強いのですね。
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 依存先が増えれば増えるほど、最終的に矢印の一本一本は髪の毛のように、細くなっていくでしょう。矢印が多くなればなるほど、何にも依存していないように錯覚するのです。自立というのは、依存先をなくすことではなく、矢印の数を多くする、つまり依存先を増やすことだと私は思うのです。

 以上のことを踏まえて、子どもの自立を考えてみましょう(図2)。最初、赤ちゃんの依存先は親しかありません。赤ちゃんから親に太い矢印が向かいます。
  

 ――親なしでは生きていられない状態ですね。
 
 しかし、成長とともにできることが増えていきます。親以外のものにどんどん頼れるようになっていく。友だちとか、先生とか、商店街のおじさんとか、人間だけではなく、いろいろな道具や社会制度を使うようにもなります。依存先が増えることで、親への矢印がどんどん細くなります。

 依存できるものをどんどん開拓し、増やしていくことで、自立していくのです。

 親への矢印が細くなり、依存先が増えれば、より生き方の選択肢が増え、自由になります。そのようにして、子どもは成長していくわけです。

依存先を開拓し、増やすこと 適度な支え合い  ――子どもの自立のためには、1人暮らしをさせた方が早いという意見もあります。

   一概にいえる話ではありません。ただ、親がいつも子どもと一緒にいる親子関係だと、周囲の人間は子どもに関わりづらくなりますね。下手に手を出してはいけないのではないかと思い、関わりが少なくなりがちです。

 一方で、親から離れ、少し“弱そう”にしている、困っている感じの方が、気に掛けられやすくなります。結果的に、周囲との関わりが増え、子どもの依存先が開拓されやすいのです。

 その意味で、子どもが外に出て1人暮らしをすることは、親以外の依存先を広げられるので、効果があるとは思います。

 ――親との関係を薄くすることではなく、親以外の依存先を増やすことが大切なのですね。

  最近は、親も依存先が少ないのではないでしょうか。子どもだけでなく、支える側の親も依存できる先が少ないから、子どもから離れられない。

 親自ら、弱さをさらけだし、人に頼り、支援をお願いすること。その姿を通して、子どもも困った時は助けを求めていいのだと学びます。他人に迷惑を掛けてはいけないという発想が中心で、自分で何とかしようとし過ぎると、依存先が減っていきます。これでは結果的に、自立が妨げられてしまうのです。

 社会は相互依存のネットワークですから、適度に支え合いながら生きていくのが自然です。何にも依存しない自立というのはフィクション(虚構)です。そのフィクションに踊らされて、道を誤ることは防ぎたいものです。

■プロフィル  くまがや・しんいちろう 1977年、山口県生まれ。東京大学先端科学技術研究センター特任講師。仮死状態で生まれ、後遺症で脳性まひに。大学在学中には1人暮らしを経験。小児科の外来を担当する。


思春期子どもの「うざい」「きもい」への対応 [親と子供関係]

表現できないイライラ uzai1.PNG
 思春期は、始まりが非常に分かりづらいのが特徴です。子どもは「きょうから思春期に入ったよ!」とは絶対に言いません。

 ふさぎ込んだりイライラしたり、急に反抗的な言葉を使うようになるなど、子どもは行動で表します。大人との違いがここにあります。

 大人は言葉で自分の思いをそれなりに説明できます。子どもは大人に説明できるほどの論理性も、語彙力もまだないので、自分に起こっていることや感じたことを漠然と受け止め、もやもやとした中で生きています。自分の思いを表現できずに、「ほっといて」「うざい」「しね」などという暴言で表すことがあります。

 大人は目に見えるところで判断し、理解します。その言葉が意味があるものと考えます。暴言を聞くと「わが子が急に変わってしまった」と、言葉通りに受け止めて親自身が傷ついたり、受け止め方が分からず困惑したりしやすいのです。

 子どもは言葉にできないイライラを親にぶつけつつ、親の反応をよく見ています。さらに怒った、悲しそうな顔をした、距離を取るようになったなど、そういう親の反応を見て、子ども自身もさらに傷つき、もやもやした感情を増幅させていきます。

 思春期は親子の間で、こうした悪循環が起こりやすい時期なのです。

言葉でなく心に目を向けて
uzai2.PNG
 暴言を吐く時、子どもも何かしらの問題で傷ついています。傷ついた子どもの心の状態は、図のように4層の構造で考えると理解しやすいでしょう。表面的には一番外側の「負の感情」が目立つが、その内側には、不満や不安、傷つきがあり、本音が押し込められ、自分でも本音が自覚できない漠然とした状態になっています。

 大切なことは、暴言で表現される「負の感情」に右往左往するのではなく、その内側にある、傷つきや本音に目を向けて親が関わることです。

 「うざい」と言われた時に、「お母さんのどこがうざいの!」と言い返しても効果は薄いでしょう。心のもやもやが表現できずに、「うざい」という言葉が出てきているだけなのですから、暴言が出てきたら、「どうしたの?」「何かあったの?」と、子どもの心に目を向けて、話し掛けてみたいものです。

親の思いは一度置く

 親は自分の思いが子どもに通じずに傷つきます。「なぜ、この子は私の言うことを聞かないの」「ちゃんとしないのか」と。しかし、親の思いを中心にして子どもを見ても解決にはなかなか向かいません。子どもの本当の姿は見えてきません。

 まず、わが子が何を考え、どういう世界にいるのか。親の思いも大事なのですが、一度、脇に置いて、子どもの見えていない部分について、丁寧に見ていくことを心掛けましょう。

 子どもに関心を持ち、子どもが言いたいことをそのまま受け止め、聞いてあげること。全部、話を聞いてもらえると、相手の意見を聞こうとする受け皿ができます。これは決して子どもの言うことを全面的に受け入れる、認めることとは違います。受け止めてもらえて初めて親の意見が子どもに届くのです。

 話を聞く前に、親の思いを伝えると、「親は分かってくれていない」「話を聞いてくれない」「言ってもムダ」と心を閉ざしてしまうものです。親の思いを脇に置いて、子どもの言いたいことを全部受け止める――これを心掛けるだけでも、親子関係は随分と改善されていきます。

 安心して、子どもが言いたいことを言える親になる。暴言も含めて、親に心のもやもやをぶつけても大丈夫だよという姿勢を見せる。そうした親の姿が、不安定な思春期の子どもを安心させ、自分らしく成長するのを後押しするのだと思います。





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子どもと一緒に楽しむ [親と子供関係]

子供とお出かけの時に

「どこか行こうよ~」という声が聞こえてきそう。子ども向け施設は図書館、動物園、水族館、科学館、乗り物施設、美術館などが定番。以下、お出掛けのヒントにご活用ください。
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 最近は、マンガ・アニメや恐竜関連、大人にも人気のイベント列車も。

 大都市では企業ショールームも充実しています。自然史、文化史などを展示する京都市の「京都大学総合博物館」など、大学の付属博物館へ行けば、勉強もできるでしょう。栃木県那須塩原市の「那須千本松牧場」は、入場料や駐車料が無料。自然体験を楽しむ親子連れの姿を見掛けます。

 今では見られなくなった建物を展示している博物館も各地にあります。札幌市の「北海道開拓の村」は、明治から昭和初期にかけた北海道各地の建物を移築、復元。東京都小金井市の「江戸東京たてもの園」は、江戸の建物や町並みを再現しています。

 外国体験をしたい人は、千葉県船橋市にある「ふなばしアンデルセン公園」でアンデルセンの世界を。栃木県・那須町の「モンゴリアビレッジテンゲル」では、モンゴルの遊牧民が使用している移動式住居「ゲル」が並び、異郷の地に来たかのような体験宿泊は驚きです。

 茨城県つくば市では、つくばサイエンスツアーバスを利用すれば、一日乗り放題で「JAXA筑波宇宙センター」をはじめ、筑波研究学園都市の魅力的な社会見学施設がいろいろ。

 道の駅の中では、静岡県伊東市の「伊東マリンタウン」。日帰り温泉の他に、全長43メートル、一度に70人が“入浴”可能な屋外足湯が人気です。

 「東京都庁」のような自治体庁舎の展望室、「関空展望ホールスカイビュー」のような飛行場の展望ホール、秋葉原駅近くの商業施設「マーチエキュート神田万世橋」からは、行き交う電車などを、目の前に見ることができます。もちろん、見慣れた近所をお子さんと散歩しても発見はありますよ。


ポイント

 【各所の問い合わせ先】

 ◎京都大学総合博物館=電話075(753)3272

 ◎那須千本松牧場=電話0287(36)1025

 ◎北海道開拓の村=電話011(898)2692

 ◎江戸東京たてもの園=電話042(388)3300

 ◎ふなばしアンデルセン公園=電話047(457)6627

 ◎モンゴリアビレッジテンゲル=電話0287(76)6114

 ◎JAXA筑波宇宙センター=電話029(868)5000

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