小学生を伸ばす親力アップ「共感を覚える会話」 [親と子供関係]
子ども時代の物語伝えて
小学校の先生だった時、私は子どもたちにいろいろな話を聞かせてあげました。一番喜ばれたのは、先生である私の、子どものころの話でした。これは、私の本名を取って“杉山少年物語”と名付け、シリーズ化していました。
例えば、運動会でビリになったこと、トイレに落書きをして弟のせいにしたこと、そろばんの試験に落ちたこと、数学が苦手で英語が得意だったこと、かくれんぼの時、肥だめに落ちたことなどです。特に失敗談は子どもたちに大受けでした。
こういう話になると、それまでぼーっとしていた子も、にこにこしながら話を聞きます。そして先生にもそういう時があったのだと分かり、ぐっと親しみが増すようです。一人の人間同士として共感を覚え、心がつながるのだと思います。
ですから、皆さんも自分が子どものころの話をしてあげてください。皆さんのお子さんは、皆さんが子どものころのことをどれだけ知っていますか? ほとんど知らないのではないでしょうか。
だいたい、いつも「これしちゃダメ。あれしちゃダメ。ああしなさい。こうしなさい」というような話ばかりしているので、子どもたちはみんな飽き飽きしています。
皆さん自身の物語を話してあげると、親と子の心が一人の人間同士としてつながります。と同時に、子どもに生きる上でのヒントや考える材料を与えてあげることもできます。
子どもは経験が少ないので、生き方や人生というものが、まるで分かっていません。自分の経験、本、マンガ、小説、伝記などで少しずつ学んでいくわけですが、親の経験こそが目の前にある生きた実例でありモデルです。
失敗も成功も、あれもこれも、全てひっくるめて、それは生きている文学なのです。
お父さんもいたずらして叱られていたんだ、お母さんも水泳が苦手だったんだ、などと分かってホッとするかもしれません。「お父さんはこういう時、こうしていたんだ。なるほど、いい方法だな」とか「お母さんはこういうことをして後で後悔したんだ。私も気を付けよう」など、何らかの教訓を学ぶかも知れません。それらの全てが子どもの栄養になるのです。
教育評論家 親野智可等
小学校の先生だった時、私は子どもたちにいろいろな話を聞かせてあげました。一番喜ばれたのは、先生である私の、子どものころの話でした。これは、私の本名を取って“杉山少年物語”と名付け、シリーズ化していました。
例えば、運動会でビリになったこと、トイレに落書きをして弟のせいにしたこと、そろばんの試験に落ちたこと、数学が苦手で英語が得意だったこと、かくれんぼの時、肥だめに落ちたことなどです。特に失敗談は子どもたちに大受けでした。
こういう話になると、それまでぼーっとしていた子も、にこにこしながら話を聞きます。そして先生にもそういう時があったのだと分かり、ぐっと親しみが増すようです。一人の人間同士として共感を覚え、心がつながるのだと思います。
ですから、皆さんも自分が子どものころの話をしてあげてください。皆さんのお子さんは、皆さんが子どものころのことをどれだけ知っていますか? ほとんど知らないのではないでしょうか。
だいたい、いつも「これしちゃダメ。あれしちゃダメ。ああしなさい。こうしなさい」というような話ばかりしているので、子どもたちはみんな飽き飽きしています。
皆さん自身の物語を話してあげると、親と子の心が一人の人間同士としてつながります。と同時に、子どもに生きる上でのヒントや考える材料を与えてあげることもできます。
子どもは経験が少ないので、生き方や人生というものが、まるで分かっていません。自分の経験、本、マンガ、小説、伝記などで少しずつ学んでいくわけですが、親の経験こそが目の前にある生きた実例でありモデルです。
失敗も成功も、あれもこれも、全てひっくるめて、それは生きている文学なのです。
お父さんもいたずらして叱られていたんだ、お母さんも水泳が苦手だったんだ、などと分かってホッとするかもしれません。「お父さんはこういう時、こうしていたんだ。なるほど、いい方法だな」とか「お母さんはこういうことをして後で後悔したんだ。私も気を付けよう」など、何らかの教訓を学ぶかも知れません。それらの全てが子どもの栄養になるのです。
教育評論家 親野智可等
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