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五・七・五で世界を切り取る! かんたん 俳句入門 [俳句]

あかあかと 10320841-S-imagenavi.jpg 日は難面も 秋の風  松尾芭蕉

句解説

 日射しが照りつけ、残暑はなお厳しい中にも、寂しい秋風の気配が漂い始めている


基本ルール その1 「五七五」の十七音に収める

 独特の余韻を残す五七五の十七音。「字余り」「字足らず」の名句もありますが、初心者のうちは、まず十七音にまとめることを心掛けましょう。

 特に中七の部分に字余り・字足らずが生じると、全体のバランスが崩れやすくなるので注意。なお、正式な形で短冊などに句を記入する際は、縦書き一行で書き入れます。

基本ルール その2 折々の季語を織り交ぜる

 季語は俳句作りに欠かせないもの。「俳句歳時記」に目を通して、いろいろな季語を知り、それを使いながら季節の風景や心情を詠めるようになると、俳句作りがぐっと楽しくなってきます。

 初心者は特に、一句の中に二つ以上の季語が入る「季重なり」には気をつけましょう。句の焦点がぼやけてしまいがちだからです。

基本ルールその3 切れ・切字を効果的に

 韻文である俳句の特徴的な表現に、「切れ」と呼ばれる修辞があります。この「切れ」が、限られた俳句の音節の中に、リズムやある意味合いを与える役割を果たします。

 「や」「かな」「けり」に代表される俳句らしい表現は、「切字」と呼ばれます。詠嘆や強調を伴って、「切れ」の効果を高める言葉です。


インタビュー 俳人 堀本裕樹さん 心のシャッターを切って十七音に
 五七五の十七音という小さな器の中に、宇宙大のスケールを持つ事象や出来事から、何げない日常の驚きや発見まで詠むことができる面白さは、俳句の最大の魅力といえます。

 また、俳句の命ともいうべき重要な要素として、季節の移ろいを表現する「季語」が挙げられるでしょう。「雪月花」に代表される伝統的な季語のほかにも、「ビール」や「サングラス」など現代的な言葉も季語として採用されています。

 多くの季語を知ったり、調べたりしていくと、それまでは気付かなかったような季節の風情を感じ取れるようになります。これまで住んでいた世界と自分との関係性がより豊かに結ばれていくような不思議な感覚を、俳句愛好者なら、誰もが経験するのではないでしょうか。

 とはいえ、俳句といわれると何やら古めかしいような、畏まったイメージを抱く人は多いかもしれません。ですが、実はとても気軽に楽しめる文芸です。

 街中で多くの人がカメラや携帯電話を片手に、目に留まった風景を写真に収めていますよね。俳句にも、それと似た感覚があるように思います。

 まずは、五七五の十七音に季語を織り交ぜて、印象的な風景や心情を言葉に託して詠んでみてほしいですね。

 心のシャッターを切って、それを十七音の言葉のリズムに乗せることで、眼前の光景や音、香り、自分の心情まで表現できる。短くてシンプルだからこそ奥深い俳句の世界に、ぜひ親しんでもらいたいと思います。

暗く暑く大群衆と花火待つ
算術の少年しのび泣けり夏  西東三鬼


番外 字余り 字足らず 句またがり

 句が十七音よりも長くなることを「字余り」、短くなることを「字足らず」といいます。例えば、西東三鬼は「暗く暑く」と、あえて上五を字余りにすることで、夏の夜にひしめく人々の様子と、高まる花火への期待感を表現しています。

 また、フレーズが五七五の音節をまたぐ「句またがり」は、句に新鮮で力強い効果を与える場合があります。


さまざまの事おもひ出す桜かな 松尾芭蕉

 一つの題材を詠むことに絞って作る句を「一物仕立て」といいます。着想をシンプルに表現する高い技量が求められます。桜を詠んだ芭蕉の句は、手本となる名句です。

 一方、二つの要素を盛り込んだ句が「取り合わせ」。要素の間にある色彩や大きさ、質感などの対比や類似を詠むことで思わぬ詩が生まれます。

 俳句作りに慣れてきたら、意図的に同じ題材を「一物仕立て」と「取り合わせ」の両方で詠む練習をするのもいいでしょう。


②言葉の順序、視点の面白さ

面白やどの橋からも秋の不二
ぼんやりと大きく出たり春の不二  正岡子規

 推敲の最もシンプルな方法として、言葉の入れ替えがあります。

 俳句は極度に短い詩なので、同じ「秋風」という季語を使ったとしても、「秋風や~」と始まる句と、「~秋の風」と終わる句では、句のリズムや印象が変わります。

 また、視点の独自性も大切です。正岡子規の句を見ると分かるように、同じ富士山を題材に詠む時も、季節や視点の違いによって、多彩な富士の姿が浮かび上がっているのが分かります。
“句会”って何?

 句会は、俳句を楽しむ人たちがそれぞれの句を評価したり、主宰者から教えを受けたりする集まりのこと。句を鑑賞して、批評し合ったりする中で、推敲のポイントや発想のコツを学ぶことができます。

①出句

 定められたテーマや季語を用いた句を作り、短冊に書き写し、句が書かれた面を下向きにして提出用の箱や鉢に入れます。その際、短冊に自分の名前は記入しません。

②清記

 参加者で手分けをし、短冊の句を清記用紙に書き写します。これによって、句が誰の作品なのかが分かりづらくなります。匿名性を高め、客観的な批評をするための工夫です。

③選句

 清記用紙を回覧して、気に入った句を選びます。それを手元に書き写し、「選句者」として自分の名前を記入します。もちろん、自分の句は選ばないのが暗黙のルールです。

④披講

 選んだ句を発表します。選句用紙を提出して披講者が読み上げる場合や、参加者自身がそれぞれ選んだ句を発表する場合があります。誰かに自分の句が選ばれたら、名乗り出ましょう。

⑤選評

 句会の参加者や主宰者が、句を選んだ理由や感想を述べます。複数の参加者が同じ句を選んだとしても、その理由や解釈が全く異なることも。鑑賞の面白さや推敲のヒントを得られる機会です。

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