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思春期子どもの「うざい」「きもい」への対応 [親と子供関係]

表現できないイライラ uzai1.PNG
 思春期は、始まりが非常に分かりづらいのが特徴です。子どもは「きょうから思春期に入ったよ!」とは絶対に言いません。

 ふさぎ込んだりイライラしたり、急に反抗的な言葉を使うようになるなど、子どもは行動で表します。大人との違いがここにあります。

 大人は言葉で自分の思いをそれなりに説明できます。子どもは大人に説明できるほどの論理性も、語彙力もまだないので、自分に起こっていることや感じたことを漠然と受け止め、もやもやとした中で生きています。自分の思いを表現できずに、「ほっといて」「うざい」「しね」などという暴言で表すことがあります。

 大人は目に見えるところで判断し、理解します。その言葉が意味があるものと考えます。暴言を聞くと「わが子が急に変わってしまった」と、言葉通りに受け止めて親自身が傷ついたり、受け止め方が分からず困惑したりしやすいのです。

 子どもは言葉にできないイライラを親にぶつけつつ、親の反応をよく見ています。さらに怒った、悲しそうな顔をした、距離を取るようになったなど、そういう親の反応を見て、子ども自身もさらに傷つき、もやもやした感情を増幅させていきます。

 思春期は親子の間で、こうした悪循環が起こりやすい時期なのです。

言葉でなく心に目を向けて
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 暴言を吐く時、子どもも何かしらの問題で傷ついています。傷ついた子どもの心の状態は、図のように4層の構造で考えると理解しやすいでしょう。表面的には一番外側の「負の感情」が目立つが、その内側には、不満や不安、傷つきがあり、本音が押し込められ、自分でも本音が自覚できない漠然とした状態になっています。

 大切なことは、暴言で表現される「負の感情」に右往左往するのではなく、その内側にある、傷つきや本音に目を向けて親が関わることです。

 「うざい」と言われた時に、「お母さんのどこがうざいの!」と言い返しても効果は薄いでしょう。心のもやもやが表現できずに、「うざい」という言葉が出てきているだけなのですから、暴言が出てきたら、「どうしたの?」「何かあったの?」と、子どもの心に目を向けて、話し掛けてみたいものです。

親の思いは一度置く

 親は自分の思いが子どもに通じずに傷つきます。「なぜ、この子は私の言うことを聞かないの」「ちゃんとしないのか」と。しかし、親の思いを中心にして子どもを見ても解決にはなかなか向かいません。子どもの本当の姿は見えてきません。

 まず、わが子が何を考え、どういう世界にいるのか。親の思いも大事なのですが、一度、脇に置いて、子どもの見えていない部分について、丁寧に見ていくことを心掛けましょう。

 子どもに関心を持ち、子どもが言いたいことをそのまま受け止め、聞いてあげること。全部、話を聞いてもらえると、相手の意見を聞こうとする受け皿ができます。これは決して子どもの言うことを全面的に受け入れる、認めることとは違います。受け止めてもらえて初めて親の意見が子どもに届くのです。

 話を聞く前に、親の思いを伝えると、「親は分かってくれていない」「話を聞いてくれない」「言ってもムダ」と心を閉ざしてしまうものです。親の思いを脇に置いて、子どもの言いたいことを全部受け止める――これを心掛けるだけでも、親子関係は随分と改善されていきます。

 安心して、子どもが言いたいことを言える親になる。暴言も含めて、親に心のもやもやをぶつけても大丈夫だよという姿勢を見せる。そうした親の姿が、不安定な思春期の子どもを安心させ、自分らしく成長するのを後押しするのだと思います。





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