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勇気を奮って沈黙破った! 被爆証言集「男たちのヒロシマ」が好評 [心の繋がり]

日英併記 “不戦の波動”を国内外へ
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 新しい被爆証言集『男たちのヒロシマ――ついに沈黙は破られた』(第三文明社、1404円)が話題を呼んでいる。創価学会広島平和委員会が、2年3カ月の歳月をかけて編さんした労作。先月、広島市内で行われた「出版記念会」の内容と共に、本書に込められた思いなどを紹介する。


戦争は人を長く苦しめる

 スタイリッシュな装丁が目を引く。手に取りやすい。ページをめくると、生々しい体験談に、ぐんぐん引き込まれる。心が、大きく揺さぶられる……。

 今年4月30日に発刊された本書は、中国新聞5月4日付「ベストセラーズ 広島」の欄(紀伊國屋書店広島店調べ)で、堂々の1位に。また、同紙・書評欄「郷土の本」コーナー(5月18日付)でもいち早く紹介されるなど、広島で大きな反響を呼んでいる。学会の出版物という以前に“最新の被爆証言集”として注目され、中国地方を中心に今、ひたひたと読まれている一書だ。
今までの被爆証言集では、圧倒的に女性の声が多かったが、本書はタイトル通り、男性のみ14人の証言を収録した。来年の被爆70年を前に、勇気を奮って重い口を開いた、貴重な話の数々。文字通り70年もの“沈黙を破り”、本書を機に自らの体験を語り始めた人が半数ほどに及ぶ。

 広島被爆の日「8・6」の後、それぞれ、どのように生き抜いてきたか。各証言とも、被爆後の人生に焦点が当たっている。両親・家族を失ったことも、自身や家族の闘病、受けた差別も、全て、筆舌に尽くせぬ苦しみを背負ったものだった。

 戦争が、いかに残酷か。愚かな行為か。いかに長きにわたり、人を苦しめるのか。一つ一つの実体験が、それを如実に物語る。

 本書はさらに、英語の翻訳文を併記したのが特徴だ。“ヒロシマから世界不戦への新たな世論の大波を”との思いが形となった。ちなみに今年4月、広島で開催されたNPDI(軍縮・不拡散イニシアチブ)の外相会合に参加した12カ国の外相らには、広島市を通じて資料などと共に本書が届けられている。

命懸けで語り残した体験

 6月15日、広島市内で開かれた出版記念会には、証言者やその家族をはじめ、市当局や被爆者団体の代表、マスコミ、出版、教育関係者ほか約110人が出席。記念会の発起人には中国新聞社・特別顧問の今中亘さん、児童文学作家の大野允子さん、広島平和記念資料館・元館長の原田浩さんらが名を連ねた。

 席上、本書の広島市への寄贈式が行われ、図書館や市立学校などへ約320冊が寄贈。また、湯﨑英彦広島県知事からの祝電が紹介され、広島文化学園の森元弘志理事長、広島県書店商業組合の山本秀明理事長、広島原爆被爆者援護事業団の鎌田七男理事長など、多くの来賓から心のこもった祝辞が相次いだ。

 さらに、証言者とその家族もあいさつに立ち、証言集完成の喜びと思いを語った。

 発起人のうち今中さんは、あいさつの中で今回の出版は大変意義深く、時宜を得たものと高く評価。英訳も併記された本書を「世界の一人でも多くの人に読んでいただき、核兵器廃絶への機運が一層盛り上がることを切に願います」と述べ、「ぜひ周囲の方々に本書の意義をPRし、被爆地ヒロシマからの“平和の発信”に役立ててほしい」と訴えた。

 これに関連して、今中さんは、本書について「大半が、当時15歳以上の青春真っ盛りだった方の鮮烈な記憶に基づく証言です。これは大変貴重で説得力があります」と強調。「もし今後、被爆75年に同じ企画をしても、本書の証言者と同じ世代の方々から、同じように証言が得られるかどうか」と言及した。

 今中さんは「命を懸けて被爆体験を語り残したいという思いが、ひしひしと伝わってくる一書です。既に鬼籍に入られたおひとかたを含め、積極的に証言してくださった14人の皆さまに心から敬意を表します」と述べた。

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