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海の生きものたち [ ミカドウミウシ] [自然]

美しいスカートをはためかせ
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 真っ青な美しい海中を遊泳中、目の前に怪しくうごめく物体が飛び込んできた。ミカドウミウシだった。これまで、海底を這うように移動する姿は見かけたものの、海中を優雅に泳ぐ様を見たときは、一期一会の出あいに感動し、冷静さを失いつつ、慌てふためきながら撮影したものだ。

 ウミウシの仲間は種類も多く、小さなものでは米粒ほどだが、このミカドウミウシは、50~60㌢ほどにも達する大物である。

 その遊泳の姿が独特で、体を丸めたかと思うといきなり背のびをし、波打つように泳ぐ。スピードは意外と速いが、その繰り返しだ。

 いちにいさん、いちにいさんと、まるで自分で号令でもかけながら、楽しんで泳いでいるようにも見える。美しいスカートのような外套膜をはためかせながら泳ぐスタイルは、なんという悩ましさだろう。英名ではスパニッシュダンサーと命名されているほどである。

 ところでこのミカドウミウシだが、海底にいる個体を海中に放っても、まるで泳ぐ気配もなく、だらーんと落下するという。泳ぐときは毅然とした意思を持ち、目的地に向かってひたすら泳いでいるというわけだ。例えばデートに遅れそうだとか……。

 ウミウシの仲間は雌雄同体だが、産卵の際はペアになり交接する。歩みののろいウミウシたちが、広い海の中でどのように相手を見つけられるのか不思議でならなかったが、海底を移動する際、その這い跡に相手を引き付けるフェロモンを残しているらしい。それにより無駄な労力を使わず、最短距離でペアとなる相手のもとにたどり着くことができるのだ。やるなぁ、ウミウシたちよ。

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