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豊かな体験が子どもを変える――「キッザニア」の取り組みを [子供と信頼]

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五感をフルに使う機会増やそう

 夏休みには、普段とは違う体験を子どもに積ませたいものです。子どもの職業体験を楽しむ施設「キッザニア東京」(東京・江東区)は設立以降、「キッザニア甲子園」(兵庫・西宮市)と合わせ累計来場者が1000万人を超える人気です。キッザニアの取り組みを例に、「体験」の魅力を考えます。


子ども扱いしない

 キッザニアはメキシコ発祥で、「体験を通して子どもの力を引き出し、生きる力を育む場を提供する」ことを目指して、2006年に日本に設立。3分の2サイズの街の中で、医師、消防士、新聞記者、バスガイド、ファッションモデルなど90種類以上の職業・社会体験をすることができます。

 “仕事”の後は給料として、街で独自に使える通貨「キッゾ」が支給され、デパートで買い物をしたり、銀行に預金して利子を得たりすることもできます。働く体験とともに、消費者(お客さん)としての社会活動も体験できるのです。

 キッザニアは、「ごっこ遊び」で終わらないようにリアリティーも追求。スポンサー企業の協力を得て、本物の職場環境づくりにこだわります。例えば、ピザ作りでは、スポンサー企業が使う本物のキッチン、ユニホーム、食材を使用。スタッフであるスーパーバイザーの指示で簡単な仕事の仕方を学び、作ったものは自分で食べることができます。

 スーパーバイザーが特に気を付けているのは、「子どもを子ども扱いしない」こと。○○さんと敬称で呼び、一人前の社会人として接します。一人前として扱われると、子どももわがままを言ったり、思い通りにならないからといって泣いて主張したりという言動が減り、自立心を育てることにもつながるといいます。

 体験がどのような教育効果をもたらすのでしょうか。「視覚、触覚、味覚、嗅覚、聴覚の五感をフルに使うことで、本物に触れる感動が生まれます」「物事への興味が高まり、将来への夢を育むことにつながる」と語ります。
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好き嫌いに変化

 キッザニアで、ハンバーガー作りをした5歳男児は、大のトマト嫌い。好き嫌いが激しいのが母親の悩みでした。男児はトマト、ハンバーグ、レタスなどの食材を重ねてハンバーガー作りに挑戦。自作のハンバーガーを口に入れると「トマト、おいしい!」と満面の笑み。母親は「トマトを、こんなにおいしそうに食べたのは初めて」と驚く一方で、「料理の体験を通して食への興味が湧いたのかもしれません。今度からは、一緒に食事を作る機会を増やそうと思います」と感想を。
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 「好き嫌いをしないで食べなさい」と、いくら口で言っても効果は薄いもの。しかし、実際に自分で作ることで食べ物に愛着が湧き、食べる意欲が湧く。体験が子どもを伸ばす一例といえます。
新たな個性に気付く

 また、キッザニアでの職業体験を通して、新たな子どもの個性に気付いた親もいました。どちらかというと引っ込み思案で、人の前には立ちたがらない。これがわが子の個性だと思っていました。しかし、ファッションモデルの体験をすると、人前で自分を表現する楽しさを実感。その後、消極的な姿勢から、何事にも積極的にチャレンジしようとする姿勢に変わったといいます。

 わが子の個性を親が決め付けずに、まず子どもに体験させてみること。そうすれば、今まで気付かなかった新たな個性の発見につながるのです。
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 今はテレビやインターネットで多くの情報を得られる一方で、塾通いやゲーム遊びで、多彩な体験をする機会が減っています。だからこそ、意識して子どもと出掛ける機会を増やし、五感を使った体験を重ねていきたいものです。




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