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「気遣い」は心を結ぶ [心の繋がり]

 優しい一言や、ちょっとした激励――さりげない気遣いはうれしいものですが、人のためにと思ってやったことが喜んでもらえないことも。
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 人は、自分だけ満足であれば幸せかというと、案外そうではないですよね。

 周りの人を喜ばせ、その姿を見て自分も喜ぶ。そこに本当の幸せがあると思います。

 漫画家のやなせたかしさんは「人生はよろこばせごっこ」と言われました。私にとって「気遣い」とは、まさに「よろこばせごっこ」そのものです。

 難しく考える必要はありません。自分も楽しみながら、相手のために心を使い、相手が望むことを行えばいいのです。

 気遣いは必ず人生のプラスになります。人間関係がうまくいかない、目標が持てない……。そんな悩みも、喜ばせたい相手の視点に立つと、解決のヒントが見えてくるものです。

 
◆「心のアンテナ」を張る

 例えば、みんなで食事をしていても、グラスが空いている人に気付いて「何かお飲みになりますか?」と気遣える人と、全く気付かない人がいますよね。それは、周りが見えているかどうかの違いです。

 周りが見えるようになるコツは、「心のアンテナ」を張ることです。

 相手をよく見たり、話を聞いたりして、「この人、今どう思っているのかな?」「何が好きなのかな?」と。そして、「何をしたら喜んでくれるだろう?」と想像したことを、自ら楽しみながらやってみましょう。

 もちろん、時にはそっとしておくことが相手のためになる場合もあります。ポイントはどこまでも、相手に心を向けることです。


◆まず感謝から始まる

 気遣いは、ノウハウを覚えればできる、というものではありません。

 気遣いができる人は、人の気遣いに気付ける人でもあります。人から受けた気遣いをキャッチして、感謝する心。それを磨く中で、自分がしてもらってうれしかったことを、今度は誰かにやってあげてみてください。さりげない「気遣い」が自然とできるようになります。

あなたが潤ってこそ

 なかには、人に気を使い過ぎて気疲れしてしまう、という人もいると思います。

 以前、看護師さんを前に講演をした時のことです。治療だけではなく、患者に元気を与える存在でもある看護師さん。仕事では、常に神経を張りっ放しで、ストレスもたまりやすい。そこで、講演ではこんなメッセージを伝えました。

 「自分の気持ちを置いてけぼりにしないでくださいね」

 たまには遊んだり、リラックスしたりして、自分を元気にしてあげてください。それが患者さんを救うことにつながるのです――と。

 すると、聞いていた皆さんの表情が、ほっと緩んでいくのが分かりました。

 看護師に限らず、真面目で一生懸命な人ほど、人に尽くす時、自分の心を置き去りにしてしまいがち。でも、自分の心が潤っていなければ、人を潤すことなどできません。「気遣い」は滅私奉公ではなく、自分が潤い、相手が潤うことの循環だからです。

 皆さんの中にある優しさ、真心という、すばらしい宝物を輝かせ、いい「気遣い」をするためにも、たとえ忙しい時でも、自分を潤す時間を大事にしてもらいたいと思います。

ワンポイントアドバイス シーン1
初対面の人に会う 話をよく聞き、話題も準備

 相手が初対面の場合、最初はこちらが多く語るより、相手の話をよく聞くことです。人は、自分に興味を持ってもらえると、うれしく感じます。

 例えば、営業の場合、お客さまは、売ろうとして来ているなと思うと反発します。でも、営業マンから「面白いですね、もっと聞かせてください」と言われると、ついしゃべってしまいます。訪問先で本を薦められたら、再会した時に読んだ感想を伝えると印象が変わります。その積み重ねです。相手の求めているものも見えてきます。

 「自分が売りたい」という気持ちを抑え、「君から買いたい」と思ってもらう。「いいじゃないか君。何か持ってきたんだろう。出してみなよ」となるまで持っていくのです。

 相手が警戒したり、様子見で話してくれないなら、5分でも10分でも全く関係のない世間話をします。意外な質問も効果的。予想外のボールを投げられると、本音がこぼれたり、打ち解けたりするものです。そのために相手のことを調べて、話題を準備しておく。ストックは多めに。それも大切な気遣いです。


ワンポイントアドバイス シーン2
職場の人や友人との食事会 主役を見極め、役割は分散

 あなたが幹事になったら、まず主役が誰かを見極めます。主役を盛り上げるという視点で、プランを考えるのです。例えば、新入社員が主役なら、その人が輪に入りやすい雰囲気をつくることです。座を楽しみながら互いを知り合える仕掛けをつくったり、取り分ける料理を少なくしたり。お店は、お互いの声が届きやすい個室がいいでしょう。

 大切なことは、すべて自分でやろうとせず、他の参加者も巻き込んでみることです。例えば、お店選びが不得手なら、得意な人に任せるなど、力を貸してもらうのです。人は相談されたり、任せられたりするとうれしいもの。その人も当日までにワクワク感が高まります。

 押し付けでなく、一緒に楽しみ、成功させるために、役割を分散させるのも、気遣いなのです。

 ぬかりなくやろうとすると視野が狭くなります。自分が楽しんで考えることで、喜んでもらえる“しつらえ(場作り)”ができるのです。


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