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海の生きものたち「ハダカゾウクラゲ」 [自然]

ひときわユニークな姿形
hadaka.PNG
 ウエットスーツに身を包み、完全防備で海中に飛び込んだのだが、露出している顔の回りがチクチクと痛んだ。毒性の強いものではないが、刺胞毒を持つクラゲやプランクトンが集まる、そのまっただ中に飛び込んでしまったようだ。

 それにしても視界が悪い。プランクトンが大量に増殖しているのだろう。点ほどの小さなものから、輪ゴムを切ったような細長いものまで、色や形は千差万別だ。その中でもひときわ大きく、姿形のユニークな生きものを見つけた。体長15センチほどのハダカゾウクラゲである。

 ゾウの鼻に似た部分は吻と呼ばれる口先であり、その先端に小さな口がある。餌はクラゲのような海中を漂うゼラチン質の小動物だが、写真を見ると、まれに小魚も捕らえるようで驚いた。目も体の割にはとても小さく、キュートである。

 実はこのハダカゾウクラゲ、名前はクラゲだがクラゲの仲間ではなく、巻き貝の仲間なのだという。

 進化の過程で貝殻は退化し、いまではご覧のような姿となった。普段はおなかを上にし、黒潮流域をまるでクラゲのごとく、ぷかぷかと漂っているらしい。はるか外洋を旅する生きものなので、これまで遭遇する機会はなかったが、黒潮の蛇行が沿岸域に接近することにより、まれにこのような珍客とご対面できるのである。

 ゾウのような面構えをした海中浮遊生活者。望んでも再会はかなわないが、今頃どんな海域をさまよっているのだろうか。
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