生活習慣病の基本を確認 [健康]
治療は食事、運動、薬物療法で
長年の生活習慣の積み重ねによって起こる「生活習慣病」は、いずれも誰もが気を付けなければならない病気です。今回は、代表的な生活習慣病の概要と、それらにまつわるキーワードについて確認します。
生活習慣病・糖尿病検査
深刻な病気につながる
さまざまな生活習慣病に共通することは、すぐには自覚症状が出ないため、放置しがちな点です。そして狭心症や心筋梗塞、脳卒中などの深刻な病気につながる可能性があることです。
治療は通常、食事療法、運動療法、薬物療法などで進めます。また、基本的に禁煙も推奨されます。
個別の病気について見てみましょう。
生活習慣病・糖尿病検査
糖尿病
どんな病気?
血糖値の高い状態が続き、全身のさまざまな臓器に障害が起こる病気です。血糖値をコントロールする(下げる)インスリンの量や作用が足りなくなり、血糖の上昇を抑えられなくなることによって起こります。
糖尿病にはさまざまな合併症がありますが、中でも糖尿病性の「神経障害」「網膜症」「腎症」が三大合併症と呼ばれています。
神経障害はしびれや感覚の鈍りなどの知覚異常に始まり、進行すると運動神経や自律神経も障害されます。
網膜症では眼底の血管が変形したり詰まったりします。さらに眼底出血や網膜はく離を起こして視力が低下し、悪化すると失明に至ります。
腎症では腎臓が障害されてタンパク尿が出るようになり、だんだんと腎機能が低下して血液のろ過ができなくなり、最終的には人工透析が必要になります。
キーワード
☆血糖値=「血糖」は血液中に含まれるブドウ糖のこと。血液中に含まれているブドウ糖の量を表すのが「血糖値」です。
☆インスリン=膵臓から分泌されるホルモンで、血糖値をコントロールする働きがあります。
診断基準
①糖負荷試験(75グラムのブドウ糖を経口摂取)で2時間後の血糖値が200㎎/dL以上
②空腹時血糖値126㎎/dL以上
③随時血糖値200㎎/dL以上
右記の3点のうちの一つ以上に該当し、HbA1c(グリコヘモグロビン)の値が6・5%以上〈国際標準値〉であれば、糖尿病と診断されます。
生活習慣病・糖尿病検査
高血圧
どんな病気?
血圧が高い状態が続き、動脈硬化などの原因となる病気です。収縮期血圧(いわゆる「上」の値)と拡張期血圧(同「下」の値)、どちらが高くても高血圧になります。
キーワード
☆血圧=血液の圧力によって血管壁が押される力のこと。心臓から送り出される血液の量と、血管の硬さによって決まります。
☆動脈硬化=動脈は、心臓から全身へ血液を運ぶ血管。その動脈が硬くなったり、狭くなったりして血液の流れが悪くなっている状態が動脈硬化です。
診断基準
●医療機関で測った場合=上が140㎜Hg以上、または下が90㎜Hg以上(どちらか一方が当てはまれば高血圧)
●家庭で測った場合=上が135㎜Hg以上、または下が85㎜Hg以上(同)
「正常血圧」は、医療機関で=上が130㎜Hg未満かつ下が85㎜Hg未満、家庭で=上が125㎜Hg未満かつ下が80㎜Hg未満です。
正常血圧と高血圧の間は「正常高値血圧」と呼ばれ、注意すべき状態です。ただし、75歳以上の人は少し高めでも大丈夫でしょう。
対策
心配のある方や医師の指示を受けた方は、家庭で定期的に血圧を測りましょう。朝と夜、できるだけいつも同じ時刻に測定し、結果をノートなどに記録しておきます。
また、食塩を取り過ぎると血圧が上がることが分かっています。食塩の量を減らした食生活を中心に、運動療法、薬物療法などで、血圧を目標の範囲内に調整し続けることが重要です。
生活習慣病・糖尿病検査
脂質異常症
どんな病気?
血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪が多過ぎたり、善玉コレステロールが少なかったりする状態です。
従来は「高脂血症」と呼ばれてきましたが、善玉コレステロールが低い場合をそう呼ぶのは適当でないことなどから、2007年に「脂質異常症」へ変更されました。
現在、日本人の30歳以上の3分の1が脂質異常症といわれています。
さまざまな原因が関与していることが多いので、医師、管理栄養士らと共に、自分に合った対策や治療方針を立てることが大切です。
キーワード
☆LDLコレステロール=いわゆる悪玉コレステロール
☆トリグリセライド=中性脂肪
☆HDLコレステロール=いわゆる善玉コレステロール
診断基準
次の三つのうち一つでも当てはまると、脂質異常症と診断されます(いずれも空腹時の採血)。
・LDLコレステロールが140㎎/dL以上
・トリグリセライドが150㎎/dL以上
・HDLコレステロールが40㎎/dL未満
生活習慣病・糖尿病検査
メタボリック症候群
どんな病気?
おなか周りに脂肪がたまった「内臓脂肪型肥満」によって、高血圧や高血糖、脂質異常症が重なった状態のことです。
内臓脂肪型肥満の人は、血圧、血糖、脂質値などの異常を来しやすく、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が重なりやすいことが分かっています。
現在、日本では、男性の20~25%、女性の5~10%くらいが該当するといわれています。
キーワード
☆脂肪=人間の体内に存在する脂肪には中性脂肪、脂肪酸、コレステロール、リン脂質の4種類があります。「体脂肪」というと、その全てを指します。
体脂肪の9割近くが中性脂肪で、その中性脂肪が皮膚の下についたものが「皮下脂肪」、内臓の周りについたものが「内臓脂肪」と呼ばれます。
診断基準
次の両方に当てはまる場合、メタボリック症候群と診断されます。
①へその位置でのウエストサイズ
・男性=85センチ以上
・女性=90センチ以上
②以下のうち、二つ以上に該当する
・収縮期血圧130㎜Hg以上(かつ、または)拡張期血圧85㎜Hg以上
・空腹時血糖値110㎎/dL以上
・トリグリセライド値150㎎/dL以上(かつ、または)HDLコレステロール値40㎎/dL未満
生活習慣病・糖尿病検査
長年の生活習慣の積み重ねによって起こる「生活習慣病」は、いずれも誰もが気を付けなければならない病気です。今回は、代表的な生活習慣病の概要と、それらにまつわるキーワードについて確認します。
生活習慣病・糖尿病検査
深刻な病気につながる
さまざまな生活習慣病に共通することは、すぐには自覚症状が出ないため、放置しがちな点です。そして狭心症や心筋梗塞、脳卒中などの深刻な病気につながる可能性があることです。
治療は通常、食事療法、運動療法、薬物療法などで進めます。また、基本的に禁煙も推奨されます。
個別の病気について見てみましょう。
生活習慣病・糖尿病検査
糖尿病
どんな病気?
血糖値の高い状態が続き、全身のさまざまな臓器に障害が起こる病気です。血糖値をコントロールする(下げる)インスリンの量や作用が足りなくなり、血糖の上昇を抑えられなくなることによって起こります。
糖尿病にはさまざまな合併症がありますが、中でも糖尿病性の「神経障害」「網膜症」「腎症」が三大合併症と呼ばれています。
神経障害はしびれや感覚の鈍りなどの知覚異常に始まり、進行すると運動神経や自律神経も障害されます。
網膜症では眼底の血管が変形したり詰まったりします。さらに眼底出血や網膜はく離を起こして視力が低下し、悪化すると失明に至ります。
腎症では腎臓が障害されてタンパク尿が出るようになり、だんだんと腎機能が低下して血液のろ過ができなくなり、最終的には人工透析が必要になります。
キーワード
☆血糖値=「血糖」は血液中に含まれるブドウ糖のこと。血液中に含まれているブドウ糖の量を表すのが「血糖値」です。
☆インスリン=膵臓から分泌されるホルモンで、血糖値をコントロールする働きがあります。
診断基準
①糖負荷試験(75グラムのブドウ糖を経口摂取)で2時間後の血糖値が200㎎/dL以上
②空腹時血糖値126㎎/dL以上
③随時血糖値200㎎/dL以上
右記の3点のうちの一つ以上に該当し、HbA1c(グリコヘモグロビン)の値が6・5%以上〈国際標準値〉であれば、糖尿病と診断されます。
生活習慣病・糖尿病検査
高血圧
どんな病気?
血圧が高い状態が続き、動脈硬化などの原因となる病気です。収縮期血圧(いわゆる「上」の値)と拡張期血圧(同「下」の値)、どちらが高くても高血圧になります。
キーワード
☆血圧=血液の圧力によって血管壁が押される力のこと。心臓から送り出される血液の量と、血管の硬さによって決まります。
☆動脈硬化=動脈は、心臓から全身へ血液を運ぶ血管。その動脈が硬くなったり、狭くなったりして血液の流れが悪くなっている状態が動脈硬化です。
診断基準
●医療機関で測った場合=上が140㎜Hg以上、または下が90㎜Hg以上(どちらか一方が当てはまれば高血圧)
●家庭で測った場合=上が135㎜Hg以上、または下が85㎜Hg以上(同)
「正常血圧」は、医療機関で=上が130㎜Hg未満かつ下が85㎜Hg未満、家庭で=上が125㎜Hg未満かつ下が80㎜Hg未満です。
正常血圧と高血圧の間は「正常高値血圧」と呼ばれ、注意すべき状態です。ただし、75歳以上の人は少し高めでも大丈夫でしょう。
対策
心配のある方や医師の指示を受けた方は、家庭で定期的に血圧を測りましょう。朝と夜、できるだけいつも同じ時刻に測定し、結果をノートなどに記録しておきます。
また、食塩を取り過ぎると血圧が上がることが分かっています。食塩の量を減らした食生活を中心に、運動療法、薬物療法などで、血圧を目標の範囲内に調整し続けることが重要です。
生活習慣病・糖尿病検査
脂質異常症
どんな病気?
血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪が多過ぎたり、善玉コレステロールが少なかったりする状態です。
従来は「高脂血症」と呼ばれてきましたが、善玉コレステロールが低い場合をそう呼ぶのは適当でないことなどから、2007年に「脂質異常症」へ変更されました。
現在、日本人の30歳以上の3分の1が脂質異常症といわれています。
さまざまな原因が関与していることが多いので、医師、管理栄養士らと共に、自分に合った対策や治療方針を立てることが大切です。
キーワード
☆LDLコレステロール=いわゆる悪玉コレステロール
☆トリグリセライド=中性脂肪
☆HDLコレステロール=いわゆる善玉コレステロール
診断基準
次の三つのうち一つでも当てはまると、脂質異常症と診断されます(いずれも空腹時の採血)。
・LDLコレステロールが140㎎/dL以上
・トリグリセライドが150㎎/dL以上
・HDLコレステロールが40㎎/dL未満
生活習慣病・糖尿病検査
メタボリック症候群
どんな病気?
おなか周りに脂肪がたまった「内臓脂肪型肥満」によって、高血圧や高血糖、脂質異常症が重なった状態のことです。
内臓脂肪型肥満の人は、血圧、血糖、脂質値などの異常を来しやすく、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が重なりやすいことが分かっています。
現在、日本では、男性の20~25%、女性の5~10%くらいが該当するといわれています。
キーワード
☆脂肪=人間の体内に存在する脂肪には中性脂肪、脂肪酸、コレステロール、リン脂質の4種類があります。「体脂肪」というと、その全てを指します。
体脂肪の9割近くが中性脂肪で、その中性脂肪が皮膚の下についたものが「皮下脂肪」、内臓の周りについたものが「内臓脂肪」と呼ばれます。
診断基準
次の両方に当てはまる場合、メタボリック症候群と診断されます。
①へその位置でのウエストサイズ
・男性=85センチ以上
・女性=90センチ以上
②以下のうち、二つ以上に該当する
・収縮期血圧130㎜Hg以上(かつ、または)拡張期血圧85㎜Hg以上
・空腹時血糖値110㎎/dL以上
・トリグリセライド値150㎎/dL以上(かつ、または)HDLコレステロール値40㎎/dL未満
生活習慣病・糖尿病検査
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