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イカ タコ 不思議な生態 [自然]

巨大、群れ、光る……今なお多くの謎が残る
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 知能の高さから“海の霊長類”とも呼ばれるイカとタコの魅力を、生態写真で紹介する『世界で一番美しいイカとタコの図鑑』(エクスナレッジ刊、監修・窪寺恒己)が出版された。企画構成を行った澤井聖一さんに話を聞いた。



色を変える“忍者”

 イカやタコは、頭足類といいオウムガイやアンモナイトと同じ仲間です。日本人にとっては馴染み深い存在ですが、その生態は謎だらけ。

 例えば、話題になったダイオウイカは全長15メートル以上、逆に小さいヒメイカは全長2センチもありません。陸上の動物で例えるなら、通常の大きさのゾウに対して、小指の先に乗るようなゾウがいるようなもの。同じ種類の生き物で、これだけ大きさの異なるものはいません。

 また、イカもタコも一瞬で体の色を変えることができます。色素胞という色の粒が何層にも重なり合っていて、さまざまな色を出せるのです。まさに“海の忍者”です。皆さんが思っている以上に、色鮮やかで美しいものです。

 それに、体の左右が別々の色になることも。オスのイカに、右側からメスが近づき、左側から別のオスが近づくと、メスの側は白くなり、オスの側は黒く変化します。片側だけが攻撃色になるのです。

海の中で最も進化

 イカやタコのような無脊椎動物は下等動物だと思われがちです。しかし、海の中で最も進化したのはイカとタコといっても過言ではありません。頭足類は、オルドビス紀(4億9千万年前~4億5千万年前)には、今の人間のような存在だったのです。

 魚はまだ、あごがなく弱い存在でした。それに対して頭足類は、海の中を素速く泳ぐことができ、相手を捕まえる足、強力なクチバシを持っていました。知性も高く、光を放つものもいる。数千万年の間、海はイカの世界だったのです。

 通常、図鑑というと、分類学に応じて並べているケースが多い。でも、この図鑑は、イカとタコの魅力を伝えたいと思い、特徴別に並べました。「巨大なもの」「群れをつくる」「光る」など、それぞれの項目が、イカやタコの魅力と重なっているわけです。

 私が好きなのは、ムラサキダコの写真です。敵が近づくと、スーパーマンのようにマントを広げる。自分の姿を大きく見せるとともに、マントによって速く泳ぎます。

 今なお謎が多く、不思議なイカやタコ。美しい生態写真を通して、少しでも興味を持ってもらえればと思っています。

■プロフィル  さわい・せいいち 1958年、福岡県生まれ。生物雑誌の編集者、新聞記者などを経て、現職。これまでに『世界の美しい透明な生き物』『世界の美しい飛んでいる鳥』などを企画・編集している。
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