きょうのテーマは「高齢者の詐欺的トラブル」 [暮らしの問題]
家族や周囲の「見守り」「気付き」で防ごう!
これから年末の慌ただしい時期を迎えます。詐欺などの消費者トラブルが多くなるのもこの季節。特に最近は、高齢者の消費者トラブルが年々増加傾向にあります。今回のテーマは「高齢者の詐欺的トラブル」。家族や周囲が、高齢者を守るために注意すべき点を、独立行政法人国民生活センターへの取材をもとにまとめました。
高齢者の消費者被害に関する相談は年々増加の傾向にあり、全国の消費生活センターに多く寄せられています。
特に、認知症などの理由によって、判断能力が不十分な状態で、健康食品の送り付け商法被害などに遭うケースが増えています。
60歳以上の認知症などの被害相談件数は、2013年度には1万件を突破し、過去最多となりました。また、トラブルに遭っているという認識もなく、問題が潜在化してしまっているのが現実で、今後、ますます増加していく可能性があります。
高齢者トラブルを防ぐためには、家族や周囲による、「見守り」「気付き」が重要です。友人やホームヘルパー、ケアマネジャーから注意喚起をしてもらうことは、有効な手段です。
下記のチェックリストを参考に、普段の様子をしっかりと把握していくことが、高齢者の消費者トラブルを未然に防ぐことにつながります。
日頃から高齢者に声を掛け、「不審な電話勧誘はすぐに切る」「必要のない訪問販売はきっぱり断る」といった防止策を伝えておくことが大事です。
また、「すぐに契約したり、お金を支払ったりせず、家族や周囲に相談する」といった対応策も伝えておきましょう。
消費者トラブルのチェックリスト
居室・居宅の様子
□不審な契約書、請求書などの書面や、宅配業者の不在通知などはないか。
□不審な健康食品やカニなどがないか。
□新品のふとんなど、同じような商品が大量にないか。
□通信販売のカタログやダイレクトメールなどが大量にないか。
□複数社から配達された新聞や景品類などがないか。
□不審な業者が出入りしている形跡はないか。
□家の屋根や外壁、電話機の周辺などに不審な工事の形跡などがみられないか。
高齢者本人の言動や態度など
□電話口で困っている様子や、不審な電話のやりとりはないか。
□生活費が不足するなど、お金に困っている様子はないか。
□預金通帳などに不審な出金の記録はないか。
不審に感じたら消費者ホットラインへ 0570―064―370
※この番号にかけ、案内にそって住まいの郵便番号を入力すると、近くの消費生活センターや相談窓口を案内します。
声掛け・確認
少しでも変化に気付いたら、高齢者本人に声を掛ける。
「何か困っていませんか?」
「業者から勧誘されていませんか?」
「本当に必要な契約ですか?」
経緯を確認し、メモしておきましょう。
相談
トラブルや被害に遭っていると分かったら、すぐに消費生活センターなどに相談する。
家族やホームヘルパー、地域包括支援センターなどを通じても相談することができます。
主な手口
全国の消費生活センターに寄せられた相談のうち、契約当事者が70歳以上の件数は、2004年度に10万件を超えました。13年度には20万8926件にのぼり、相談全体の約22%を占めています。
13年度の契約当事者70歳以上の相談件数(14年5月末までの登録分)を販売方法・手口別にみると、次のようになっています(カッコ内は相談件数における割合)。
①電話勧誘販売 51420件(24.6%)
販売業者が消費者宅や職場などに電話し、商品やサービスを販売する方法です。強引な勧誘や、虚偽の説明、説明不足などが多いです。相談件数の4分の1近くを占める手口ですので、注意が必要です。
②家庭訪問販売 25830件(12.4%)
販売業者が消費者宅を訪問し、商品やサービスを販売する方法です。消費者が要請していないのに、強引な勧誘や長時間にわたって居座るなどのトラブルが多くあります。
③劇場型勧誘 12623件(6.0%)
「代わりに購入すれば高値で買い取る」などと、立場の違う複数の業者が、電話などで勧誘する手口で、話題となっている出来事などを悪用しています。近年、増加傾向にあります。
④代引き配達 12555件(6.0%)
「以前お申し込みいただいた健康食品を送ります」などと突然電話がある手口です。断ったのに、強引に代引き配達するケースが多いです。受け取り拒否か、すぐに消費生活センターなどに相談しましょう。
⑤利殖商法 11856件(5.7%)
「値上がり確実」「必ずもうかる」など利殖になることを強調して、投資や出資を勧誘する商法です。「もうからない」「返金されない」など、怪しい投資に関する相談が多くみられます。
悪質業者が狙う「お金」「健康」「孤独」
高齢者は「お金」「健康」「孤独」の三つの不安を持っているといわれています。
悪質業者は巧みな言葉で不安をあおります。親切に接し、信用させた上で、年金・貯蓄など、高齢者にとって大切な財産を狙っています。
また、高齢者は自宅にいることが多いため、電話勧誘販売や訪問販売被害に遭いやすいのも特徴です。
【お金】
老後を安心に暮らしたいと思う高齢者にとって、「お金」は大きな不安材料の一つです。年金が主な収入源の高齢者は、「必ずもうかる」などという話を信じてしまいやすい傾向があります。
【健康】
「足の痛みが治る」「血液がサラサラに」「がんが治った」など、健康に不安を持つ高齢者の心理を巧みに突く手法が多く見られます。健康食品、電気治療器などを高額で購入させる手口です。
【孤独】
1人暮らしの人や、外出する機会が減っている高齢者は、「話し相手がほしい」と感じることも少なくありません。話し相手になるなどして近づき、相手を信用させ、次々と契約を繰り返させるケースが多く見られます。
無料メールマガジン「見守り新鮮情報」
国民生活センターでは、高齢者や障がい者の消費者トラブルを食い止めるために、メールマガジン「見守り新鮮情報」を発行しています。各地の消費生活センターなどに寄せられた悪質商法の手口や、注意すべき製品事故などの情報を分かりやすくコンパクトにまとめています。月2回程度の発行で、登録は無料です。
メールマガジンの登録は、国民生活センターホームページ(http://www.kokusen.go.jp/)「見守り情報」のコーナーから登録できます。
これから年末の慌ただしい時期を迎えます。詐欺などの消費者トラブルが多くなるのもこの季節。特に最近は、高齢者の消費者トラブルが年々増加傾向にあります。今回のテーマは「高齢者の詐欺的トラブル」。家族や周囲が、高齢者を守るために注意すべき点を、独立行政法人国民生活センターへの取材をもとにまとめました。
高齢者の消費者被害に関する相談は年々増加の傾向にあり、全国の消費生活センターに多く寄せられています。
特に、認知症などの理由によって、判断能力が不十分な状態で、健康食品の送り付け商法被害などに遭うケースが増えています。
60歳以上の認知症などの被害相談件数は、2013年度には1万件を突破し、過去最多となりました。また、トラブルに遭っているという認識もなく、問題が潜在化してしまっているのが現実で、今後、ますます増加していく可能性があります。
高齢者トラブルを防ぐためには、家族や周囲による、「見守り」「気付き」が重要です。友人やホームヘルパー、ケアマネジャーから注意喚起をしてもらうことは、有効な手段です。
下記のチェックリストを参考に、普段の様子をしっかりと把握していくことが、高齢者の消費者トラブルを未然に防ぐことにつながります。
日頃から高齢者に声を掛け、「不審な電話勧誘はすぐに切る」「必要のない訪問販売はきっぱり断る」といった防止策を伝えておくことが大事です。
また、「すぐに契約したり、お金を支払ったりせず、家族や周囲に相談する」といった対応策も伝えておきましょう。
消費者トラブルのチェックリスト
居室・居宅の様子
□不審な契約書、請求書などの書面や、宅配業者の不在通知などはないか。
□不審な健康食品やカニなどがないか。
□新品のふとんなど、同じような商品が大量にないか。
□通信販売のカタログやダイレクトメールなどが大量にないか。
□複数社から配達された新聞や景品類などがないか。
□不審な業者が出入りしている形跡はないか。
□家の屋根や外壁、電話機の周辺などに不審な工事の形跡などがみられないか。
高齢者本人の言動や態度など
□電話口で困っている様子や、不審な電話のやりとりはないか。
□生活費が不足するなど、お金に困っている様子はないか。
□預金通帳などに不審な出金の記録はないか。
不審に感じたら消費者ホットラインへ 0570―064―370
※この番号にかけ、案内にそって住まいの郵便番号を入力すると、近くの消費生活センターや相談窓口を案内します。
声掛け・確認
少しでも変化に気付いたら、高齢者本人に声を掛ける。
「何か困っていませんか?」
「業者から勧誘されていませんか?」
「本当に必要な契約ですか?」
経緯を確認し、メモしておきましょう。
相談
トラブルや被害に遭っていると分かったら、すぐに消費生活センターなどに相談する。
家族やホームヘルパー、地域包括支援センターなどを通じても相談することができます。
主な手口
全国の消費生活センターに寄せられた相談のうち、契約当事者が70歳以上の件数は、2004年度に10万件を超えました。13年度には20万8926件にのぼり、相談全体の約22%を占めています。
13年度の契約当事者70歳以上の相談件数(14年5月末までの登録分)を販売方法・手口別にみると、次のようになっています(カッコ内は相談件数における割合)。
①電話勧誘販売 51420件(24.6%)
販売業者が消費者宅や職場などに電話し、商品やサービスを販売する方法です。強引な勧誘や、虚偽の説明、説明不足などが多いです。相談件数の4分の1近くを占める手口ですので、注意が必要です。
②家庭訪問販売 25830件(12.4%)
販売業者が消費者宅を訪問し、商品やサービスを販売する方法です。消費者が要請していないのに、強引な勧誘や長時間にわたって居座るなどのトラブルが多くあります。
③劇場型勧誘 12623件(6.0%)
「代わりに購入すれば高値で買い取る」などと、立場の違う複数の業者が、電話などで勧誘する手口で、話題となっている出来事などを悪用しています。近年、増加傾向にあります。
④代引き配達 12555件(6.0%)
「以前お申し込みいただいた健康食品を送ります」などと突然電話がある手口です。断ったのに、強引に代引き配達するケースが多いです。受け取り拒否か、すぐに消費生活センターなどに相談しましょう。
⑤利殖商法 11856件(5.7%)
「値上がり確実」「必ずもうかる」など利殖になることを強調して、投資や出資を勧誘する商法です。「もうからない」「返金されない」など、怪しい投資に関する相談が多くみられます。
悪質業者が狙う「お金」「健康」「孤独」
高齢者は「お金」「健康」「孤独」の三つの不安を持っているといわれています。
悪質業者は巧みな言葉で不安をあおります。親切に接し、信用させた上で、年金・貯蓄など、高齢者にとって大切な財産を狙っています。
また、高齢者は自宅にいることが多いため、電話勧誘販売や訪問販売被害に遭いやすいのも特徴です。
【お金】
老後を安心に暮らしたいと思う高齢者にとって、「お金」は大きな不安材料の一つです。年金が主な収入源の高齢者は、「必ずもうかる」などという話を信じてしまいやすい傾向があります。
【健康】
「足の痛みが治る」「血液がサラサラに」「がんが治った」など、健康に不安を持つ高齢者の心理を巧みに突く手法が多く見られます。健康食品、電気治療器などを高額で購入させる手口です。
【孤独】
1人暮らしの人や、外出する機会が減っている高齢者は、「話し相手がほしい」と感じることも少なくありません。話し相手になるなどして近づき、相手を信用させ、次々と契約を繰り返させるケースが多く見られます。
無料メールマガジン「見守り新鮮情報」
国民生活センターでは、高齢者や障がい者の消費者トラブルを食い止めるために、メールマガジン「見守り新鮮情報」を発行しています。各地の消費生活センターなどに寄せられた悪質商法の手口や、注意すべき製品事故などの情報を分かりやすくコンパクトにまとめています。月2回程度の発行で、登録は無料です。
メールマガジンの登録は、国民生活センターホームページ(http://www.kokusen.go.jp/)「見守り情報」のコーナーから登録できます。
コメント 0