きょうのテーマは「雪対策」 [自然の力・気象情報]
除雪作業は必ず2人以上で
12月に入り、ますます冷え込みが厳しくなる季節を迎えます。今年2月に首都圏を襲った大雪は、各地に大きな被害をもたらしました。今回のテーマは「雪対策」です。除雪作業中の注意が必要なポイントや雪かきのコツなどを、ウインターライフ推進協議会事務局に伺いました。
北海道での除雪作業事故は近年増加の傾向にあります。除雪作業は重労働で、危険が伴います。
ポイントを参考に、けがをしないよう、行っていただければと思います。
まずはスコップを
雪が少ない地域にお住まいの方は、除雪用スコップを持っていない家庭も多くあると思います。スコップは大きいため、置く場所にも困ります。登山者が使用する伸縮可能なスコップは保管場所もあまりとらないため、お勧めです。
いざという時、スコップがあるとないでは、大きな違いですので、これを機に購入を検討されてはいかがでしょうか。
除雪作業のポイントはコツコツやることです。降り始めなら玄関前だけでも、竹ぼうきで雪を払うようにするだけでも大きな違いがでます。
路面凍結にも注意
また冬場は、凍結した路面での転倒事故も多くあります。積雪の少ない地域でも、気温が氷点下になれば、路面が凍結する可能性が十分あります。転ばないためには、大切なのは靴選び。靴底が軟らかいゴム製で、溝が深く、路面を捉えられるものを選びましょう。
除雪作業のポイントを確認し、皆さまが、冬を「安全・安心・快適」に過ごしていただければと思います。
大雪での注意点
大雪が降ったら、気を付けたい危険なポイントや注意したい点を確認します。
屋根から落ちる
除雪作業中の事故で死者・けが人が最も多いのが、屋根からの転落です。
一番の原因は、足を滑らせることです。気温が上がった後は、屋根の表面の雪が解けて滑りやすくなるので要注意! 1階の屋根から転落する事故も多く、低い屋根でも油断は禁物です。
はしごから落ちる
はしごから落ちる事故も多く起きています。
はしごの足元はしっかりと固定し、ずれないように他の人に押さえてもらいましょう。はしごの最上部が安定していることを確認するのも重要です。
屋根から雪が
除雪作業の中で2番目に多い事故が、軒下にいて落雪に巻き込まれたり、軒先からせり出した雪庇やつららを落とそうとして、氷や雪の塊が落ちて直撃することです。
北海道では、子どもたちに、“屋根のそばでは遊ばないように”と教えられています。
エアコンの室外機
エアコンの室外機は積雪などに弱いため、エアコンを使用する時は、小まめに雪を取り除く必要があります。
雪が多い地域では、エアコンの室外機に防雪フードを備えたり、雪に埋まらないように地面から高く設置するなどの対策がとられています。
交通事故
除雪作業を行っている時は、耳当てや深いフードをかぶったまま集中すると、音が聞こえにくく、周りの状況を見落としがちです。雪山の陰から来た車や除雪車に気付かず、衝突するケースが多々あります。
家の敷地外で除雪作業をする際は、前方だけではなく後方にも注意しましょう。
滑って転倒
除雪作業中に、玄関前の凍結したタイルや敷石の上で滑って転ぶ事故も多数あります。手や腰を骨折したり、頭部を打って大けがになることも。
転倒を防ぐために、靴底のゴムや溝に工夫を凝らした冬靴を選ぶことが大切です。転んでもけがをしないように、帽子や手袋を必ず着用しましょう。
雪かきの仕方
準備運動をしっかりと
除雪作業は見た目以上に重労働です。重い雪を運ぼうとして力むと、血圧や脈拍が急上昇します。体への急激な負担を減らすよう、除雪作業の前には必ず準備運動をするようにしましょう。
無理なくコツコツ
短時間で除雪を片付けようとせず、無理な作業は避けましょう。最初から激しい作業はせず、徐々に体を慣らしていくことが肝心です。あせらずに、雪かきは時間に余裕をもって行いましょう。
家族などに声を掛けてスタート
屋根からの雪の落下、除雪機による事故、急病など、除雪作業中には予期しない、いろいろなトラブルが発生する可能性があります。もしもの時のために、2人以上で作業を行うようにしましょう。また、除雪作業に入る前に、家族や近隣に声を掛けてください。非常時の連絡のために、携帯電話も持つようにしましょう。
服装
★帽子・ヘルメット
頭部の保護や、寒さ対策のため、着用しましょう。防寒服のフードなどは、周りの音が聞こえにくくなるので注意が必要です。
★マフラー・ネックウオーマー
作業中の邪魔にならないよう、長過ぎない物。汗ふきも兼ねて、タオルでもよいでしょう。
★上着
防水性に優れた物で、汗などの湿気を逃がす素材が好ましい。作業中に体温調節がしやすいように、重ね着がお勧めです。
★手袋
厚過ぎると作業がしにくいため、防水仕様で滑りにくい物がよく、軍手はぬれると冷たくなるので、ナイロン製手袋を重ねるとよいでしょう。
★下着
汗でぬれても体が冷えないように、なるべく吸水性がよく、乾きやすい素材がよいでしょう。
★靴下
吸水性がよく、乾きやすい素材で。綿とウールの靴下を重ねるのもお勧めです。
★長靴・防寒靴
滑りにくく、雪が入らないような物をお勧めします。
コツ
雪かきのコツを知って、安全に効率よく行うようにしましょう。
①始端切り
まず、スコップを縦に刺します。
②前面切り
始端切りの切れ目に対して、直角の切れ目になるように、スコップを縦に刺します。
③小口切り
始端切りと平行の位置で、前面切りに直角の切れ目になるように、スコップを縦に刺します。
ここで、三つの切れ目がつながっていることがポイントです!
④底切りと身構え
三つの切れ目でできた雪のサイコロを底からはがすように、スコップを横に刺し、すくい上げます。
※雪の重みで腰を痛めてしまいます。背筋を伸ばして膝を曲げ、体全体を使って行いましょう。
⑤持ち上げと反動付け
先ほどの姿勢からスコップを持ち上げ、雪を投げたい方向に正対し、腕の力だけで反動を付けます。
※この時、反動を付けようと腰や膝をひねると、痛めてしまいます。
⑥投げ出し
スコップの自重と雪の重さだけを利用して、振り子のように雪を投げ出します。投げ出す最中、片手をスコップから離すと、目指した所に雪が飛びません。
⑦下ろし
ゆっくりスコップを下ろします。
⑧息付き
踏ん張った後なので一呼吸置いて次の作業に移りましょう。
あなたのカーポートは大丈夫?
本年2月の大雪では、自宅のカーポートが落下する事故が多発し、車体を損傷したというケースが多く見られました。
首都圏や雪があまり降らない地域では、20~50センチの耐積雪量を想定したカーポートを設置している家庭が多いため、被害が拡大したことが考えられます。
火災保険の契約内容に「雪災」が含まれていれば、雪で家財が破損するなどの被害を受けた場合、火災保険による補償の対象となります。火災保険上、カーポートは住宅の付帯設備と位置付けられ、カーポートの損害についても火災保険の対象となります。
カーポートの落下でマイカーが損害を受けた場合は、自動車保険に付帯している車両保険により、修理費をカバーすることができます。
この機会に一度、契約内容を確認してみてはいかがでしょうか。契約内容によっては、大雪予報が出た場合、カーポートからマイカーを出すことも大事な対応の一つです。
12月に入り、ますます冷え込みが厳しくなる季節を迎えます。今年2月に首都圏を襲った大雪は、各地に大きな被害をもたらしました。今回のテーマは「雪対策」です。除雪作業中の注意が必要なポイントや雪かきのコツなどを、ウインターライフ推進協議会事務局に伺いました。
北海道での除雪作業事故は近年増加の傾向にあります。除雪作業は重労働で、危険が伴います。
ポイントを参考に、けがをしないよう、行っていただければと思います。
まずはスコップを
雪が少ない地域にお住まいの方は、除雪用スコップを持っていない家庭も多くあると思います。スコップは大きいため、置く場所にも困ります。登山者が使用する伸縮可能なスコップは保管場所もあまりとらないため、お勧めです。
いざという時、スコップがあるとないでは、大きな違いですので、これを機に購入を検討されてはいかがでしょうか。
除雪作業のポイントはコツコツやることです。降り始めなら玄関前だけでも、竹ぼうきで雪を払うようにするだけでも大きな違いがでます。
路面凍結にも注意
また冬場は、凍結した路面での転倒事故も多くあります。積雪の少ない地域でも、気温が氷点下になれば、路面が凍結する可能性が十分あります。転ばないためには、大切なのは靴選び。靴底が軟らかいゴム製で、溝が深く、路面を捉えられるものを選びましょう。
除雪作業のポイントを確認し、皆さまが、冬を「安全・安心・快適」に過ごしていただければと思います。
大雪での注意点
大雪が降ったら、気を付けたい危険なポイントや注意したい点を確認します。
屋根から落ちる
除雪作業中の事故で死者・けが人が最も多いのが、屋根からの転落です。
一番の原因は、足を滑らせることです。気温が上がった後は、屋根の表面の雪が解けて滑りやすくなるので要注意! 1階の屋根から転落する事故も多く、低い屋根でも油断は禁物です。
はしごから落ちる
はしごから落ちる事故も多く起きています。
はしごの足元はしっかりと固定し、ずれないように他の人に押さえてもらいましょう。はしごの最上部が安定していることを確認するのも重要です。
屋根から雪が
除雪作業の中で2番目に多い事故が、軒下にいて落雪に巻き込まれたり、軒先からせり出した雪庇やつららを落とそうとして、氷や雪の塊が落ちて直撃することです。
北海道では、子どもたちに、“屋根のそばでは遊ばないように”と教えられています。
エアコンの室外機
エアコンの室外機は積雪などに弱いため、エアコンを使用する時は、小まめに雪を取り除く必要があります。
雪が多い地域では、エアコンの室外機に防雪フードを備えたり、雪に埋まらないように地面から高く設置するなどの対策がとられています。
交通事故
除雪作業を行っている時は、耳当てや深いフードをかぶったまま集中すると、音が聞こえにくく、周りの状況を見落としがちです。雪山の陰から来た車や除雪車に気付かず、衝突するケースが多々あります。
家の敷地外で除雪作業をする際は、前方だけではなく後方にも注意しましょう。
滑って転倒
除雪作業中に、玄関前の凍結したタイルや敷石の上で滑って転ぶ事故も多数あります。手や腰を骨折したり、頭部を打って大けがになることも。
転倒を防ぐために、靴底のゴムや溝に工夫を凝らした冬靴を選ぶことが大切です。転んでもけがをしないように、帽子や手袋を必ず着用しましょう。
雪かきの仕方
準備運動をしっかりと
除雪作業は見た目以上に重労働です。重い雪を運ぼうとして力むと、血圧や脈拍が急上昇します。体への急激な負担を減らすよう、除雪作業の前には必ず準備運動をするようにしましょう。
無理なくコツコツ
短時間で除雪を片付けようとせず、無理な作業は避けましょう。最初から激しい作業はせず、徐々に体を慣らしていくことが肝心です。あせらずに、雪かきは時間に余裕をもって行いましょう。
家族などに声を掛けてスタート
屋根からの雪の落下、除雪機による事故、急病など、除雪作業中には予期しない、いろいろなトラブルが発生する可能性があります。もしもの時のために、2人以上で作業を行うようにしましょう。また、除雪作業に入る前に、家族や近隣に声を掛けてください。非常時の連絡のために、携帯電話も持つようにしましょう。
服装
★帽子・ヘルメット
頭部の保護や、寒さ対策のため、着用しましょう。防寒服のフードなどは、周りの音が聞こえにくくなるので注意が必要です。
★マフラー・ネックウオーマー
作業中の邪魔にならないよう、長過ぎない物。汗ふきも兼ねて、タオルでもよいでしょう。
★上着
防水性に優れた物で、汗などの湿気を逃がす素材が好ましい。作業中に体温調節がしやすいように、重ね着がお勧めです。
★手袋
厚過ぎると作業がしにくいため、防水仕様で滑りにくい物がよく、軍手はぬれると冷たくなるので、ナイロン製手袋を重ねるとよいでしょう。
★下着
汗でぬれても体が冷えないように、なるべく吸水性がよく、乾きやすい素材がよいでしょう。
★靴下
吸水性がよく、乾きやすい素材で。綿とウールの靴下を重ねるのもお勧めです。
★長靴・防寒靴
滑りにくく、雪が入らないような物をお勧めします。
コツ
雪かきのコツを知って、安全に効率よく行うようにしましょう。
①始端切り
まず、スコップを縦に刺します。
②前面切り
始端切りの切れ目に対して、直角の切れ目になるように、スコップを縦に刺します。
③小口切り
始端切りと平行の位置で、前面切りに直角の切れ目になるように、スコップを縦に刺します。
ここで、三つの切れ目がつながっていることがポイントです!
④底切りと身構え
三つの切れ目でできた雪のサイコロを底からはがすように、スコップを横に刺し、すくい上げます。
※雪の重みで腰を痛めてしまいます。背筋を伸ばして膝を曲げ、体全体を使って行いましょう。
⑤持ち上げと反動付け
先ほどの姿勢からスコップを持ち上げ、雪を投げたい方向に正対し、腕の力だけで反動を付けます。
※この時、反動を付けようと腰や膝をひねると、痛めてしまいます。
⑥投げ出し
スコップの自重と雪の重さだけを利用して、振り子のように雪を投げ出します。投げ出す最中、片手をスコップから離すと、目指した所に雪が飛びません。
⑦下ろし
ゆっくりスコップを下ろします。
⑧息付き
踏ん張った後なので一呼吸置いて次の作業に移りましょう。
あなたのカーポートは大丈夫?
本年2月の大雪では、自宅のカーポートが落下する事故が多発し、車体を損傷したというケースが多く見られました。
首都圏や雪があまり降らない地域では、20~50センチの耐積雪量を想定したカーポートを設置している家庭が多いため、被害が拡大したことが考えられます。
火災保険の契約内容に「雪災」が含まれていれば、雪で家財が破損するなどの被害を受けた場合、火災保険による補償の対象となります。火災保険上、カーポートは住宅の付帯設備と位置付けられ、カーポートの損害についても火災保険の対象となります。
カーポートの落下でマイカーが損害を受けた場合は、自動車保険に付帯している車両保険により、修理費をカバーすることができます。
この機会に一度、契約内容を確認してみてはいかがでしょうか。契約内容によっては、大雪予報が出た場合、カーポートからマイカーを出すことも大事な対応の一つです。
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