きょうのテーマは「大掃除」 [話題]
早いもので、今年もあと数日を残すのみ。なかなか時間がなくて、年末の大掃除が悩みのタネという家庭も多いのではないでしょうか。今回のテーマは「大掃除」。ここだけは、やって新年を迎えたい場所や掃除の仕方などを、家事・収納アドバイザーの本多弘美さんに伺いました。
掃除は数ある家事の中でも、後回しになりがちなもの。ですが、年末の大掃除は、新年をスッキリとした気持ちで迎えるためにも大事なことです。
とはいえ、隅から隅まで掃除するのは本当に大変な作業で、場合によっては何日もかかってしまいます。
そこで、まずは今年の大掃除の“目的”を決めるところからスタートしましょう。
例えば「汚れが目立つ所を重点的にする」のか、「普段しない所をキレイにする」のか、優先することを明確にします。
来年は、今年行った大掃除と別の目的を考え、交互に実践していきましょう。
すがすがしい新年を迎えるため、汚れの目立つ、ここだけはやっておきたいという五つの場所の掃除方法を紹介します。
ここだけはやっておきたい場所
玄関
①入り口 ②ドア ③靴箱
キッチン
①換気扇 ②ガス回り ③水回り
浴室
①水栓 ②排水口 ③天井
サニタリー
①蛇口や便器 ②鏡 ③洗面ボウル
リビング
①窓 ②サッシ ③エアコン
※○数字は優先順位の一例です。忙しい人は①だけでも行うようにしましょう!
汚れのプロセスを知ろう
毎日掃除することが、家をキレイに保つコツ。でも、なかなかできないのも現実です。掃除を始める前に、汚れていくプロセスを知りましょう。
汚れが変化する前にキレイにする癖をつければ、掃除はより効果的になります!
◇
①のっただけの汚れ……ホコリなど 一番掃除が簡単な状態です。払ったり、吸着するだけでキレイに。
②付着した汚れ……ホコリ+水 ホコリに水分などが付着し、払ったりするだけでは取れません。拭き掃除等でキレイにしましょう。
③こびりついた汚れ……付着したものに乾燥や油が追加 洗剤などを使用しての拭き掃除が必要になります。
④変化した汚れ……油が酸化したものや焦げつきなど 強力な洗剤と物理的な力でこすり落とすことが必要な汚れです。
玄関
玄関は外からの土や砂ぼこりなどが汚れのメーンです。
①入り口の玄関ポーチはデッキブラシに水をつけてこすり洗いをしましょう。玄関の外回りは雨や風にさらされるため、汚れが固まっています。落ちにくい汚れは、中性タイプの洗剤で掃除しましょう。表札やインターホンは、水拭きで行います。
②ドアは基本的に水拭きで大丈夫です。ドアの枠やドアノブとともに、掃除するようにしましょう。汚れが落ちない場合は、住宅用洗剤をつけた雑巾で拭きます。
最後に③靴箱。靴の汚れが原因でカビが繁殖しやすい場所です。靴を出した後、掃除機などで土ぼこりを取ります。その後は、水で湿らせた新聞紙で拭くのがお勧めです。
大掃除後は、衣替えの時期に靴の入れ替えを兼ねて整理整頓するようにしましょう。
キッチン
キッチンの中で、まず大掃除を行いたいのが、①換気扇です。簡単に落とせないベトベトの油汚れは、つけ置き用洗剤を使った「つけ置き洗い」(別掲)をしましょう。つけ置きできない部分は、「湿布法」(同)で掃除を行いましょう。
②ガス回りは、汚れを放っておくと炭のようになり、掃除がやっかいな場所の一つ。コンロの五徳や受け皿はつけ置き洗い、ガス台は湿布法で掃除します。その上で、調味料や食材などのこぼれたものは、炭になる前に拭き取るのが一番です。日頃からお湯拭きを行い、キレイにする習慣をつけましょう。
③水回りは、雑菌が繁殖しやすいため、毎日のお掃除が原則です。時々、中性洗剤をつけてこすり洗いをしましょう。大掃除では、蛇口回りを古い歯ブラシでこすり洗いするなど、普段しない場所を重点的に行いましょう。
浴室
浴室の汚れは、水滴や皮脂、カビなどが原因です。
大掃除で必ず行いたいのが①水栓。水アカやせっけんカスなどがたまりやすい場所ですが、毎日掃除する浴槽などと違い、あまり掃除しない所です。古歯ブラシなどに歯磨き粉(研磨剤の役割)をつけ、こすり洗いを。その後は、水で流して、柔らかい布で磨けばOKです。
②排水口もできればキレイにしたい場所。まずは手でつかめる髪の毛やごみを取りましょう。排水口の回りに浴室用洗剤をつけ、古い歯ブラシでこすり洗いを。大掃除後も、できれば定期的に掃除するようにしましょう。
③天井は古布を巻いたシートモップなどでこすり洗いをしましょう。ひどい汚れの場合は、浴室用洗剤をつけてこすります。天井を掃除する場合は、最初に行うようにしましょう。
サニタリー
洗面所やトイレは、衣類の着脱で舞い上がるホコリや水滴などが主な汚れの原因です。
①蛇口は浴室の水栓と同じ掃除法でOKです。便器に関しては尿が細菌を繁殖させ、悪臭や黄ばみ、黒ずみの原因になります。トイレ用洗剤で拭き掃除やこすり洗いをしましょう。便器周辺の床の掃除も忘れずに行いましょう。
②鏡は、大掃除の際に鏡用の洗剤でキレイにしましょう。また、照明器具も電源を切って水拭きを行いましょう。
③洗面ボウルは、水だけでは落ちない汚れもあるので、浴室用の洗剤でこすり洗いをしましょう。
洗面台の収納スペースは湿気が多い場所の一つ。拭き掃除を行い、これを機に、中の整理整頓も行いましょう。収納ボックスを活用するのが便利ですが、ビニール袋で仕分けしておくだけでも大きな違いです。
リビング
毎日過ごすリビングは常にキレイに保ちたいものです。リビングの大掃除のポイントは①窓です。スクイージーを使えば、効率的にお掃除できますが、ない場合は、新聞紙を代用しましょう。インクに含まれるカーボンが汚れを吸着し、インクの油分が油を溶かしたり、ツヤを出す効果が期待できます。ガラス用洗剤を吹き付けた後、新聞紙で磨くようにしましょう。
窓の②サッシは砂ぼこりなどが入り込む場所。まずは掃除機などでゴミを吸い取り、住宅用洗剤を吹き付け、しばらく置いてから拭きます。二度拭きがいる洗剤の場合は水拭きを行い終了です。隅に汚れがたまっている時は、竹串やマイナスドライバーなどにタオルを巻き、傷を付けないように取り除きましょう。
③エアコンは、ホコリがたまると効率が落ちます。フィルターを外し、掃除機でホコリを吸い取りましょう。汚れがしつこい場合は、つけ置き洗いも効果的です。エアコン本体は、中性洗剤を薄めた水にひたした雑巾で拭き、水拭き、から拭きの順に行いましょう。
掃除テクニック
【つけ置き洗い】立体的な形状(ガスコンロの五徳や受け皿など)は、スポンジやブラシでこすりにくいため、つけ置き洗いがお勧めです。洗剤液がいき渡り、油汚れなどが浮き上がります。
〈手順(五徳の場合)〉
①五徳の汚れを雑巾や割り箸などでこそげ取る。
②ごみ袋をシンクにとめて、五徳がつかる分量のお湯を張る。
③五徳を入れ、アルカリ性洗剤を溶かし、30分間つける。
④浮いてきた汚れをスポンジや古い歯ブラシでこすり洗いし、水拭きとから拭きで仕上げる。
【湿布法】ガス台などは、湿布法で汚れを浮き上がらせて掃除しましょう。キッチンの壁などにも効果的です。“湿布”に使う物は、ラップが乾燥を防ぎ効果的ですが、ごみ袋を切るなどして使用してもOK。ガス台は外してつけ置き洗いも可能です。
〈手順〉
①汚れを雑巾や割り箸などでこそげ取る。
②全体にアルカリ性洗剤などをスプレーする。
③ラップなどを密着させて15分間程度、“湿布”する。
④緩んだ汚れをこすり洗いし、水拭きと、から拭きで仕上げる。
■プロフィル ほんだ・ひろみ 家事・収納アドバイザー。実生活に基づく効率的な収納方法を理論的に体系化。テレビ・雑誌、講演会などで活躍中。主な著書に『ラクラク収納・片付けのルール』(学習研究社)、『本多弘美のラクラク収納術』(辰巳出版)など多数。
掃除は数ある家事の中でも、後回しになりがちなもの。ですが、年末の大掃除は、新年をスッキリとした気持ちで迎えるためにも大事なことです。
とはいえ、隅から隅まで掃除するのは本当に大変な作業で、場合によっては何日もかかってしまいます。
そこで、まずは今年の大掃除の“目的”を決めるところからスタートしましょう。
例えば「汚れが目立つ所を重点的にする」のか、「普段しない所をキレイにする」のか、優先することを明確にします。
来年は、今年行った大掃除と別の目的を考え、交互に実践していきましょう。
すがすがしい新年を迎えるため、汚れの目立つ、ここだけはやっておきたいという五つの場所の掃除方法を紹介します。
ここだけはやっておきたい場所
玄関
①入り口 ②ドア ③靴箱
キッチン
①換気扇 ②ガス回り ③水回り
浴室
①水栓 ②排水口 ③天井
サニタリー
①蛇口や便器 ②鏡 ③洗面ボウル
リビング
①窓 ②サッシ ③エアコン
※○数字は優先順位の一例です。忙しい人は①だけでも行うようにしましょう!
汚れのプロセスを知ろう
毎日掃除することが、家をキレイに保つコツ。でも、なかなかできないのも現実です。掃除を始める前に、汚れていくプロセスを知りましょう。
汚れが変化する前にキレイにする癖をつければ、掃除はより効果的になります!
◇
①のっただけの汚れ……ホコリなど 一番掃除が簡単な状態です。払ったり、吸着するだけでキレイに。
②付着した汚れ……ホコリ+水 ホコリに水分などが付着し、払ったりするだけでは取れません。拭き掃除等でキレイにしましょう。
③こびりついた汚れ……付着したものに乾燥や油が追加 洗剤などを使用しての拭き掃除が必要になります。
④変化した汚れ……油が酸化したものや焦げつきなど 強力な洗剤と物理的な力でこすり落とすことが必要な汚れです。
玄関
玄関は外からの土や砂ぼこりなどが汚れのメーンです。
①入り口の玄関ポーチはデッキブラシに水をつけてこすり洗いをしましょう。玄関の外回りは雨や風にさらされるため、汚れが固まっています。落ちにくい汚れは、中性タイプの洗剤で掃除しましょう。表札やインターホンは、水拭きで行います。
②ドアは基本的に水拭きで大丈夫です。ドアの枠やドアノブとともに、掃除するようにしましょう。汚れが落ちない場合は、住宅用洗剤をつけた雑巾で拭きます。
最後に③靴箱。靴の汚れが原因でカビが繁殖しやすい場所です。靴を出した後、掃除機などで土ぼこりを取ります。その後は、水で湿らせた新聞紙で拭くのがお勧めです。
大掃除後は、衣替えの時期に靴の入れ替えを兼ねて整理整頓するようにしましょう。
キッチン
キッチンの中で、まず大掃除を行いたいのが、①換気扇です。簡単に落とせないベトベトの油汚れは、つけ置き用洗剤を使った「つけ置き洗い」(別掲)をしましょう。つけ置きできない部分は、「湿布法」(同)で掃除を行いましょう。
②ガス回りは、汚れを放っておくと炭のようになり、掃除がやっかいな場所の一つ。コンロの五徳や受け皿はつけ置き洗い、ガス台は湿布法で掃除します。その上で、調味料や食材などのこぼれたものは、炭になる前に拭き取るのが一番です。日頃からお湯拭きを行い、キレイにする習慣をつけましょう。
③水回りは、雑菌が繁殖しやすいため、毎日のお掃除が原則です。時々、中性洗剤をつけてこすり洗いをしましょう。大掃除では、蛇口回りを古い歯ブラシでこすり洗いするなど、普段しない場所を重点的に行いましょう。
浴室
浴室の汚れは、水滴や皮脂、カビなどが原因です。
大掃除で必ず行いたいのが①水栓。水アカやせっけんカスなどがたまりやすい場所ですが、毎日掃除する浴槽などと違い、あまり掃除しない所です。古歯ブラシなどに歯磨き粉(研磨剤の役割)をつけ、こすり洗いを。その後は、水で流して、柔らかい布で磨けばOKです。
②排水口もできればキレイにしたい場所。まずは手でつかめる髪の毛やごみを取りましょう。排水口の回りに浴室用洗剤をつけ、古い歯ブラシでこすり洗いを。大掃除後も、できれば定期的に掃除するようにしましょう。
③天井は古布を巻いたシートモップなどでこすり洗いをしましょう。ひどい汚れの場合は、浴室用洗剤をつけてこすります。天井を掃除する場合は、最初に行うようにしましょう。
サニタリー
洗面所やトイレは、衣類の着脱で舞い上がるホコリや水滴などが主な汚れの原因です。
①蛇口は浴室の水栓と同じ掃除法でOKです。便器に関しては尿が細菌を繁殖させ、悪臭や黄ばみ、黒ずみの原因になります。トイレ用洗剤で拭き掃除やこすり洗いをしましょう。便器周辺の床の掃除も忘れずに行いましょう。
②鏡は、大掃除の際に鏡用の洗剤でキレイにしましょう。また、照明器具も電源を切って水拭きを行いましょう。
③洗面ボウルは、水だけでは落ちない汚れもあるので、浴室用の洗剤でこすり洗いをしましょう。
洗面台の収納スペースは湿気が多い場所の一つ。拭き掃除を行い、これを機に、中の整理整頓も行いましょう。収納ボックスを活用するのが便利ですが、ビニール袋で仕分けしておくだけでも大きな違いです。
リビング
毎日過ごすリビングは常にキレイに保ちたいものです。リビングの大掃除のポイントは①窓です。スクイージーを使えば、効率的にお掃除できますが、ない場合は、新聞紙を代用しましょう。インクに含まれるカーボンが汚れを吸着し、インクの油分が油を溶かしたり、ツヤを出す効果が期待できます。ガラス用洗剤を吹き付けた後、新聞紙で磨くようにしましょう。
窓の②サッシは砂ぼこりなどが入り込む場所。まずは掃除機などでゴミを吸い取り、住宅用洗剤を吹き付け、しばらく置いてから拭きます。二度拭きがいる洗剤の場合は水拭きを行い終了です。隅に汚れがたまっている時は、竹串やマイナスドライバーなどにタオルを巻き、傷を付けないように取り除きましょう。
③エアコンは、ホコリがたまると効率が落ちます。フィルターを外し、掃除機でホコリを吸い取りましょう。汚れがしつこい場合は、つけ置き洗いも効果的です。エアコン本体は、中性洗剤を薄めた水にひたした雑巾で拭き、水拭き、から拭きの順に行いましょう。
掃除テクニック
【つけ置き洗い】立体的な形状(ガスコンロの五徳や受け皿など)は、スポンジやブラシでこすりにくいため、つけ置き洗いがお勧めです。洗剤液がいき渡り、油汚れなどが浮き上がります。
〈手順(五徳の場合)〉
①五徳の汚れを雑巾や割り箸などでこそげ取る。
②ごみ袋をシンクにとめて、五徳がつかる分量のお湯を張る。
③五徳を入れ、アルカリ性洗剤を溶かし、30分間つける。
④浮いてきた汚れをスポンジや古い歯ブラシでこすり洗いし、水拭きとから拭きで仕上げる。
【湿布法】ガス台などは、湿布法で汚れを浮き上がらせて掃除しましょう。キッチンの壁などにも効果的です。“湿布”に使う物は、ラップが乾燥を防ぎ効果的ですが、ごみ袋を切るなどして使用してもOK。ガス台は外してつけ置き洗いも可能です。
〈手順〉
①汚れを雑巾や割り箸などでこそげ取る。
②全体にアルカリ性洗剤などをスプレーする。
③ラップなどを密着させて15分間程度、“湿布”する。
④緩んだ汚れをこすり洗いし、水拭きと、から拭きで仕上げる。
■プロフィル ほんだ・ひろみ 家事・収納アドバイザー。実生活に基づく効率的な収納方法を理論的に体系化。テレビ・雑誌、講演会などで活躍中。主な著書に『ラクラク収納・片付けのルール』(学習研究社)、『本多弘美のラクラク収納術』(辰巳出版)など多数。
コメント 0