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肺炎(上) [健康]

「38度以上の熱」が「3日続いたら」要注意
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 近年、肺炎による死亡者数は増えており、特に高齢者ではその傾向が顕著です。肺炎について、奈良県立医科大学大学院医学研究科の三笠桂一教授(同大学附属病院感染症センター長)に聞きました。

1 死亡原因の第3位

 肺に細菌などの病原体が感染することで、炎症が起こる状態を肺炎といいます。
 風邪から肺炎になるケースがあるなど、比較的よく見掛ける疾患です。しかし生命に危険が及ぶこともあり、現在、がん、心臓病に続いて、日本人の死亡原因の第3位となっています。
 通常は、原因となる病原体が体内に侵入しても、免疫機能によって排除されます。しかし、体力が落ちている時や、加齢、慢性疾患などによって免疫力が弱くなると病原体が増殖し、発症しやすくなるのです。
 罹患率は高齢になるほど上がり、肺炎による死亡者のほとんどが、65歳以上の高齢者です。
 肺炎には、「発症場所」「原因病原体の種類」「炎症が起こった部位」などによって、いくつかの分類方法があります。

2 発症場所による分類

 まずは、発症場所による分類を確認しましょう。大きく次の三つに分けられます。
(1)市中肺炎
 一般の町中(市中)で発症した肺炎です。若年層から高齢者まで幅広い年代で発症します。
 原因病原体は多様で、代表的なものに肺炎球菌、インフルエンザ菌(インフルエンザウイルスとは別のもの)、マイコプラズマ、クラミジア、レジオネラなどがあります。

(2)院内肺炎
 文字通り、医療施設で起きる肺炎をいいます。具体的には、病院への入院後、48時間経過以降に、新たに発症した肺炎です。
 患者さんに基礎疾患があり、免疫機能や全身症状の状態が悪いことが多いため、治療が困難になることがあります。
 代表的な原因病原体には、黄色ブドウ球菌、緑膿菌などがあります。

(3)医療・介護関連肺炎
 市中肺炎と院内肺炎の、中間的な位置付けです。
 発症する経緯としては誤嚥によるもの(誤嚥性肺炎)が多く、原因病原体は肺炎球菌が多くなっています。次のいずれかに当てはまる人が発症した場合が、医療・介護関連肺炎とされます。
 ●長期療養型病床群もしくは介護施設(精神病床含む)に入所している
 ●90日以内に病院を退院した
 ●介護を必要とする高齢者・身体障がい者
 ●通院で継続的に血管内治療(透析、抗菌薬、化学療法、免疫抑制剤などによる治療)を受けている
      ◇ 
 一般生活者が病院を訪れて肺炎と診断される場合、ほとんどが「市中肺炎」となるため、ここでは市中肺炎に関することを中心に確認していきます。
高齢者では熱が出ないケースも

3 その他の分類方法

 また肺炎は、原因病原体の種類によって「細菌性肺炎」「非定型肺炎」に大別されます。
 細菌性肺炎は、その名の通り、細菌によって引き起こされる肺炎です。前出の肺炎球菌、インフルエンザ菌などがその代表です。
 上気道(鼻から鼻腔、鼻咽腔、咽頭、喉頭まで)に病原体がくっついてたまり、下気道(気管や肺)に落ちて発症します。
 これらの病原体は、風邪やインフルエンザにかかることによって増え、発症を早めたり、症状を悪化させたりすることがあります。
 非定型肺炎は、マイコプラズマ、クラミジアなど、一般細菌以外の病原体によって起きる肺炎を指します。
 さらに、肺のどの部分に炎症が起こっているかによる分類もあります。
 肺胞に炎症が起こる「肺胞性肺炎」と、主に肺胞隔壁に炎症が起こる「間質性肺炎」に大別されます。一般に肺炎といわれるものは、「肺胞性肺炎」が主体です。
 肺胞は、枝分かれを繰り返した気管支の末端にある、ブドウの房のようになった袋状の部位で、そこに炎症が起こると肺胞性肺炎となります。
 また肺胞性肺炎は、「大葉性肺炎」「気管支肺炎」に分けられます。前者は広い範囲の肺に炎症が起こるもので、後者は炎症の範囲が肺の一部に限られている場合です。
 
4 共通する主な症状

 肺炎の症状には、発症場所や原因病原体にかかわらず、主に次のものが挙げられます。
 ①発熱
 ②咳
 ③痰
 ④呼吸困難
 ⑤胸痛
      ◇ 
 しかしこれらは、風邪など他の病気でもよく見られる症状です。肺炎を疑う目安は、「38度以上の熱が3日続いたら」と覚えておきましょう。
 ただし、高齢者は熱が出ないこともあります。熱はなくても、「ぐったりする」「食欲がない」「咳や痰が出る」「呼吸や脈拍が早い」などの症状が続く場合は肺炎を疑い、かかりつけの医師の診察を受けましょう。

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